スペインバスクからこんにちは!その16.開業準備編1 | 水谷孝のブログ「つれづれなるままに」

みなさんこんにちは!

 

ご機嫌いかがですか?

 

今回より、1990年4月25日に、スペインのイルンに着いてから、開業するまでのプロセスをお話ししたいと思います。

 

と思ったのですが、実は、僕がスペインに行く前に、僕より2年先にスペインに行った妻が、とても重要な下準備をしてくれていたので、先にそのお話しをしたいと思います。

 

僕がまだ日本にいた時に、妻は、イルンで鍼灸とヨガのセンターを開くための、物件探しをしてくれていました。

 

物件が見つからなければ、開業はできないので、物件探しは一番重要なことでした。

 

しかし妻が望むような物件は、なかなか見つかりませんでした。

 

希望の物件が、なかなか見つからなかった理由は、妻の望んだ条件が、けっこう厳しかったからでした。

 

妻の希望は、開業したい場所はイルン市(人口6万人)の中心部で、物件の広さは、最低80㎡くらいあって、しかも安い物件であること、という条件だったので、なかなか見つからなかったのです。

 

ある時、妻と国際電話で話しをした時に、「イルンの中心部に、なかなか気に入った物件が見つからない、、、」とこぼしていたので、僕が「イルンの中心部じゃ安い物件はないと思うよ。別に中心部でなくてもいいんじゃないの。中心部でなければ、安い物件は見つかると思うよ。」と言うと、妻は「ダメ!開業するなら、絶対にイルンの中心部じゃなければダメ!」と言って、とにかくイルンの中心部に固執したのです。

 

僕は「どうして彼女は、イルンの中心部に固執するのだろう?」と、不思議に思ったので、妻に、どうしてそんなに、イルンの中心部に固執するのか、その理由を聞いてみたのです。

 

妻の説明は大よそ次のようなものでした。

 

妻「中心部で開業するメリットは、交通の便もいいし、良いイメージを持たれる、というメリットもあるけど、中心部で開業するメリットは、それだけじゃないのよ。中心部の一番のメリットは、どこの市町村でも、役所が一番お金をかけるのが、中心部の歩道や車道や街路樹や建物などの景観の整備なのよ。中心部以外のところは、いつでも後回しになるから、もしも中心部から遠く離れたところの道路が壊れたら、絶対にすぐには直さないから、そんなところで開業したら、ヨガに来る生徒たちも、鍼灸に来る患者たちも、いつも汚い道路や景観を見ることになるのよ。だから私たちの鍼灸とヨガのセンターは、常に良いイメージを保つために、絶対に中心部じゃなければダメなのよ。わかった!?」

 

という説明でした。

 

「なーるほど。」と納得しました。

 

結婚して以来、我が妻ながら、常々賢い女性(ひと)だと思っていましたが(たまに賢すぎる気がしないわけでもありませんが。苦笑)、この説明を聞いて、あらためて「本当に賢いなぁー」と思いました。(これでもう少し性格が可愛らしくあってくれれば、と思うのですが、、、)

 

妻の考えは素晴らしかったのですが、現実には妻が100%満足できるような物件は、なかなか見つかりませんでした。

 

そこで妻は、作戦を変更したのです。

 

イルンの中心部で、古くて汚なくて安くて誰も買わないようなマンションを見つけて、さらに安い業者を探して、出来るだけ安い費用で、自分が好きなように、内装工事をしようと決めたのです。

 

妻は、ヨガの教師であると同時に、とても有能なデザイナーでもあったので、どんなに古くて汚いマンションでも、妻の手に掛かると、見違えるようなマンションに、生まれ変わらせることが出来ることは、彼女自身が一番良く知っていました。

 

そしてついにイルンの中心部に、古くて汚なくて安くて誰も買わないような(妻が思い描いたような)マンションが見つかったのです。

 

続きは次回のお楽しみに!

 

それではまた来週の金曜日にお会いしましょう!

 

みなさんお元気で!

 

スペインのイルンより心を込めて、、、

 

水谷孝