福岡県も梅雨入りしてしばらくたちますが、先週末から梅雨の中休みといったところでしょうか、快晴の日が続き気温も高い状態が続いています。

 

皆様も暑さにはまだ慣れていないこの時期くれぐれも体調を崩されないようご注意下さい

 

 

司法書士Oです。

 

先日からの続きです。

 

製造物責任法に基づく損害賠償は、積極損害(治療費、交通費、文書費等)、消極損害(物損、休業損害、逸失利益等)及び慰謝料になります。

 

積極損害や消極損害(逸失利益を除く)については実費が計算できるものが多いので保険会社に請求をすれば減額の交渉はあるかもしれませんが支払われるでしょう。

 

ここで問題になるのが、慰謝料です。慰謝料とは不法行為によって被る損害のうち精神的な被害に対する賠償金です。詳しくは民法第710条をご参照ください。今回の件に関して言えば、①転倒するときに感じた恐怖②転倒した際に受けた擦り傷や打撲の痛み、肋骨の骨折による痛み③転倒後1ヶ月たった今でも痛みで夜中に目が覚め睡眠不足がつづいていること④あちこちが痛むため毎日苦痛を感じていること⑤痛みのせいで休日も充実した活動ができないこと、などなどです。

 

身体の傷害の慰謝料なので、基準となるのは交通事故の慰謝料です。この交通事故の慰謝料については、3つの基準があります。

①自賠責基準②任意保険基準③弁護士基準(裁判所基準)の3つです。この基準に関しては、交通事故の慰謝料請求の場合と同じなので是非覚えておいてください。

 

以下、慰謝料のみについて考えます。治療費や物損は別に請求します。

 

保険会社がまず提示してくるのは、①の自賠責基準です。これは、簡単に言うと、骨折の場合には毎日通院することはあまりありませんので、通院日数×4300円になります。骨折して全治2ヶ月で5回通院したとしたら、2万1500円です。2ヶ月間毎日痛い思いをして「たったこれだけ?」と思ってしまいます。

 

先日、相手方の製造物責任賠償保険の保険会社の代理店の方が来られたので補償について聞いてみたら上記の自賠責基準で計算しますと言っていました。

 

やっぱり。

 

これでは誰も納得しません。保険の代理店の方は「会社の方も欠陥品を作ろうと思って作ったのではないので、公平が大切でしょう。」などと言っていましたが、要は保険会社はなるべく安くおさめたいというだけです。余談ではありますが、輸入による製造物責任法の損害賠償をした場合には、その自転車を輸出した業者に責任を追及することができます。したがって、本来ならば保険会社は認められるだけの賠償を最大限したうえで、輸出業者の責任追及に力を入れるのが当然の姿勢だとは思います。

 

②任意保険基準はかつて任意保険会社が使っていた基準で、入院と通院の月数によって金額が決まっています。今回の私の場合で言うと通院2か月で25万2千円になります。

 

まぁ、相手のある交通事故で骨折したのならばこのくらいの金額で納得してもいいかなという金額ではないでしょうか。

 

しかし、今回の場合は私は自転車に乗っていただけで、その自転車が原因となって傷害を負っています。もし、交通量の多い車道を走っているときに転倒していたとしたら間違いなく命はなかったでしょう。

 

こんな時に保険会社の言うとおりの「慰謝料」では我慢できないというのが「人情」でしょう。

 

そこで、交通事故の場合もそうですが、③弁護士基準(裁判所基準)というものがあります。

 

これは、交通事故で損害賠償の裁判になった事例をもとに慰謝料の基準が定められています。「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という本にまとめられています。表紙が赤いので通称「赤い本」と呼ばれています。

 

この本によると今回の慰謝料額は・・・

 

なんと「52万円」になります。

 

任意保険基準の倍以上です。

 

ただし、時間もかかりますが、弁護士(140万円までなら司法書士)の報酬がかかるというのもネックです。

 

しかし・・・

 

交通事故の場合には、任意保険に「弁護士(司法書士)特約」なるものがあります。この特約を付けていれば、保険会社が相手方と話をしても納得のいく過失割合や損害賠償額でない場合に、保険会社が承諾してくれれば、弁護士や司法書士が代理人となり交渉したり、裁判で解決することができます。

 

つまり、この特約を付けていれば、弁護士(司法書士)の報酬は保険会社が支払ってくれるので、報酬を気にすることなく、より納得のいく結果を得られる可能性があります。(「必ずしもよりよい結果が得られるとは限らない」ということは認識しておかなければなりませんが・・・)

 

現在、私も弁護士(司法書士)特約を使って過失割合が争点になっている訴訟案件で今月が第1回の口頭弁論期日のものがあります。

 

まぁ、今回の場合は私自身の問題ですので、弁護士に依頼するようなことはありません。自己研鑽のつもりで、保険会社と交渉をして納得できないということであれば、自分で訴訟を提起します。

 

被害にあった人が泣き寝入りしなければならないようなことは少しでも減らしていかなければなりません。

 

私達司法書士がお役に立てることもあると思います。

 

お困りごとがありましたらお近くの司法書士に相談してみて下さい。

 

最後に、今回の自転車の件でひとつ進展がありました。販売会社の担当者の方が自転車のブレーキに欠陥があったとの調査報告書を書いて下さいました。

 

本来は代表取締役の方に書いて頂いた方がいいのでしょうが、輸入販売業者の方は欠陥車を輸入してしまった被害者でもありますし、製造物責任賠償保険にも加入さてていて丁寧に対応をしてもらっています。

 

万が一、訴訟になった場合には「証拠」が必要になるので念のためにもらったものです。

 

ある程度のところで折り合いをつけたいとは思っていますが、この先どうなることやら・・・。

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございます。