今の時期にこんなことを書く人はおそらくあまりいないでしょう。
しかし、暇なので書きます。
名づけて、今年の論文式試験致命傷ミスランキング(自分内で)
1位 FCFの減価償却に40%掛け(管理会計)
2位 倒産した子会社への貸付金をその他の寄附金に分類(租税法)
3位 リスク計算のミス(経営学)
4位 会計上の見積りの論述で、品質管理について述べていない(監査論)
5位 取締役会の招集通知もれ結論逆(企業法)
同 企業結合計算1/8→持プーは解きたかった(簿記)
同 のれんの減損論述の理由づけが論点ズレ(財表)
他にも考え付きますが、とりあえず差がついてしまったと感じるミスは以上のようなものが(例えば)挙げられます。理論なんてどう採点されるのか分からないので、もっとひどいことになってるかもしれませんが。
やはり、計算(基本的な部分)の失敗は、痛いです。客観的ですし、理論で挽回できている保証なぞどこにもないのですから。
体感的に、上記のミス(というか間違い)のうち、一個回避してるごとに20~30番くらい順位が上がるような気がします。あくまで感覚ですが。
とにかく、基本的なところを落とさないことが大事です、本試験は。耳にタコができるくらい聞かされていることでしょうが。この記事を御覧になっている方で、上記の論点ができた方はけっこういるのではないでしょうか。
今回、なぜこのような記事を書いたかというと、無論、来年に生かすためです(発表はまだですけど)。結果は、まぁ各科目A~G(H?)まで判定は出るらしいですが、結局「合格」か「不合格」かしかないわけで、不合格だった場合、ただ漠然と「あ~落ちた、また一から全部やんなきゃ」になりがちだと思ったからです。
不合格だった場合、必ず同じミスした箇所でも、「不合格につながったミス」と、「不合格にはつながっていないミス」が混在しているはずです。そこを意識しないと、またしても来年このようなランキングを皆様の前に晒すようなことになりかねません。
まぁ、まだ不合格と決まったわけではないんですけども。
ただ、こんだけ列挙すると、我ながら『ハァ…』という気分になります。
ま、パーフェクトな人もいませんけどね、おそらく。しかし、自分はちょっとミスが多すぎた気がします。
ただ、言い訳するわけではないですが、5位以下は、論文までの猶予がたっぷり与えられたとしても、多分できなかったと思います。5位以下に関しては、「勉強時間が足りなかった」からできなかったとはとても思えないです。もっと、厄介な感覚がするのです。
実は、そこが今自分が「怖い」と思っていることなのです。
それを今からつらつら述べていこうと思います。暇な方は here we go
例えば、企業法。取締役会での招集通知もれがあった場合、当該取締役会は、一般原則によって無効となります。これは、自分の記憶する限り、正面きって聞かれた記憶はありません。
ところが、知ってる人は(けっこういると思いますが)、ここはまず速攻で埋めたといいます(しかも合ってる)。この差は、怖い。
ぶっちゃけてしまうと、自分は大原だったのですが、大原生がこの論点に取り組む場合にまず思い浮かべるべきテキストの該当ページは、「株主総会VS取締役会」のページでしょう。ここで、様々な比較テーマのうち、「瑕疵ある決議の効力」という項があります。ここを参照すべきだったのでした。本問は、「手続の瑕疵」ですが、根源的なところは一緒なので、考え方は多分一緒です。
株主総会→会社の基本的事項を決する・多数の利害関係者→831などの条文を用意
取締役会→少人数だから、利害関係者に対する配慮はそれほど考慮されない→一般原則
てなフローが頭に思い浮かばないといかなかったわけです。で、ここまで思い浮かんだ人は、第2問は事業譲渡VS吸収分割の明確な比較問題だったけど、第1問も実は隠れた比較問題なんだな~ということに勘づいたはずです。で、ここまで読めた人は、多少細かいことなんてはしょってても、多分今年の企業法は合格なんだと思います。
ところが、自分は何をしたかというと、応用答練でやって、一生懸命暗記した「取締役会での招集通知の省略」の論点をびっちり書いてきてしまいました。阿呆です。
「省略」じゃなくて、「もれ」です。問題文は、よく読みましょう。
しかし、自分の中では暗記したものを吐き出したくて仕方なかったのでしょう、もう問題文なぞはほとんど視界の端へ追いやられていた、というわけです。
今回の場合、同じ瑕疵でも「決議の効力」と「手続」という違いはあるとはいえ、本質というものを考える癖をつけて企業法に取り組んでいれば、今回のようなことはなかったのでは?とも最近は考えます。
で、こういうことは予備校はあまり指導してくれません。答練くれるし、受講生のニーズの最大公約数的な講義も提供してくれますが、こういったことは自分で心がけるしかないのです。
この点が、この試験の最も難しいところなのではないのだろうかと思っています。
よって、たとえ何年試験までの猶予を与えられたとしても、こういう根本的な学習意識の改善を図らないことには、いつまでたっても合格は難しいのではないのかなーと思う今日この頃だったりするわけなのですね。
う~ん、マンダム。