立憲民主党、有田芳生参議院議員が発信した《「特定失踪者」というと意味ありげですが、行方不明者です。日本では年間に約8万人がいます。》ツイートしました。北朝鮮による拉致問題に関心を持ってこなかった人にはこの意味が分からないと思いますが、「特定失踪者」とは北朝鮮に拉致された可能性がある人を指し民間の「特定失踪者問題調査会(以下、調査会)」によって作られた名称で、現在、警察庁が公開している「拉致の可能性を排除できない事案に係る方々」がこれに該当し、警察庁以前より公開してきた調査会が使用する「特定失踪者」のほうが使われています。

 政府認定拉致被害者と特定失踪者の違いは別で書くとして、有田氏がこのツイートで特定失踪者は北朝鮮拉致と関係ない“行方不明者”と言いたいわけです。しかし、特定失踪者の金田龍光さんが北朝鮮にいることが確認されており、帰国を果たした曽我ひとみさんは、日本政府がまったく把握できていなかった方であるように有田氏の主張は的を射ていません。

 有田氏はビザ無しで北朝鮮に入ったり、秘書である長男が単独で平壌入りするなど独自の動きをし、国内での拉致問題に取り組む団体を批判し続け、最近では横田滋さん逝去の記者会見で北朝鮮を批判しためぐみさんの弟、横田哲也さんの発言に、被害者家族の政治的発言は北朝鮮を挑発するとして批判しています。つまり、有田氏は国内での拉致問題への取組にクサビを入れ分裂させているわけです。

SNSを活用して拉致問題に関心のある方々なら有田氏の議員として問題のあるツイートは知られていますが、そうでない方々にもこのような人物が議員として選出されている現実を考えていただきたいと願う次第です。

 

参照リンク

有田芳生氏のツイート 

篠原常一郎氏のツイート