安倍文殊院から桜井駅方面に歩く事…2キロ
等彌神社へお立ち寄り
等彌神社 【とみじんじゃ】
鳥見山の西麓に鎮座する当社の歴史は古く、十世紀前半に制定せられた『延喜式』の神名帳にすでに記載があります。
千数百年の悠久の歴史と伝統を有するとともに、昭和15年の紀元2600年当時には、旧村社から県社に列せられ、爾来、地元桜井はもとより、全国的な崇敬に預かる県下有数の古社にして名社です。
境内には、160余基の石燈篭が並立し、参道を進むと上社「上津尾社」に至り、裏参道を下ると「下津尾社」に至ります。
御祭神は、上社が天照皇大神 下社には八幡大神・春日大神をお祀りするとともに、その他八社(弓張・恵比須・金毘羅・黒龍・稲荷・猿田彦・愛宕・桃神)の境内社及び桜井市護國神社が鎮座されています。
一の鳥居
神武天皇の御即位後、皇祖天照大御神をはじめとする神々をこの地でお迎えしたことから、第62回伊勢神宮式年遷宮の際、内宮の鳥居を拝受しました
手水舎
ここは…亀…なんやね
とぼけた顔…あまり…可愛いくない顔かも…
ニの鳥居を抜けて…広い境内に入山
上津尾社社殿
拝殿は銅板葺の平入入母屋造で、正面に妻入入母屋造の破風が段違いで設けられています
上津尾社の祭神は「大日孁貴尊」(オオヒルメノムチノミコト)と呼ばれ、一般には「天照大神」のことと言い伝えられています
実際にここに祀られているのも、天照大神、すなわち三輪山の太陽の女神であると思われます
狛犬
この狛犬さんのお顔、一般的な狛犬の顔に比べて、上下にムギュッと押しつぶしたような、なんともブサカワイイお顔をしていると思いませんか~?
江戸時代に奈良県で活躍した「丹波佐吉」という石工が作った狛犬は、このように上下に押しつぶしたような平たい顔をしているのが特徴なんやって
本堂には回廊もあって雰囲気はめちゃ良かったです
猿田彦大神社
昭和55年に、伊勢市鎮座の猿田彦神社より勧請されたそうです
猿田彦大神は、「みちひらきの神」として知られていますが、本来は出雲のサイノカミの一柱なんよ
下津尾社
拝殿は桟瓦葺の平入切妻造で、壁と床の無い開放的な構造
かつては当社の信仰の中心だったと言われているものの、現在はかなり簡素な建築なんよ
明治以前は、この下津尾社が祭祀の中心だったということですが、現在はこの先にある上津尾社が中心となっており、それに伴い下津尾社は末社となったようです
本殿は2棟あり、右殿は八幡社で「磐余明神」(神武天皇)、「品陀和気命」を祀り、左殿は春日社で、「高皇産雲神」、「天児屋根命」を祀ります
これらの祭神は物部系の神を中心としており、登美系の神ではありませんので、後に記紀に合わせて祭神が変えられた可能性があります
恵比寿社
恵比寿とは事代主のことでもありますので、本来は下津尾社では事代主を祀っていたのかもしれませんね
金比羅社
これら二つの石碑は石材や刻み方などが全く異なっていることから、元々は別の場所にあった金比羅大権現を祀る二つの石碑を一纏めにして祀っているのかもしれません
愛宕社
火伏せ・防火に霊験のある神社として知られ、「火迺要慎(ひのようじん)」と書かれた愛宕神社の火伏札は京都などの多くの家庭の台所や飲食店の厨房や会社の茶室などに貼られているんよ
また、「愛宕の三つ参り」として、3歳までに参拝すると一生火事に遭わないといわれてるみたい
津尾社から西側の石段を下りたところに広場があり、ここから上述の参道の分岐点に合流
この空間の北側に、当社背後の山であり神武天皇聖蹟の「霊畤」ともされる「鳥見山」への登山道の入口があります
この登山道は境内社「鳥見稲荷神社」の入口ともなっており、朱鳥居が南向きに建っています