漫画を語る・その5『あさきゆめみし』 | 夕焼けのむこうの国

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日々の生活で感じたことや、ふと思いついたことを、気ままに綴るブログです。

 

 

 

大和和紀の代表作です。

 

これは、もう画力がすごいですよね。

隅から隅まで丁寧に描かれていて、着物の柄とか、部屋の調度品とか、とにかくすごい!!って感じです。

しかも、あの難解な『源氏物語』を、ここまでストーリー立てて、登場人物も1人1人確立させて、わかりやすく描くってほんとに見事だと思います。

これを読まないと『源氏物語』は理解できなかったですよ、ほんと。

 

でも、最後の方になると、あまたの女人達はだんだん描き分けが微妙になってきてはいましたが…(^_^;)

もう、最終的には髪型で描き分けたり、目が半開きの黒めになってたり…(笑)

 

源氏は、若い頃が一番勢いがあってエネルギッシュで、カッコ良かったですね。

単行本でいうと2~3巻あたりの、源氏と頭中将が青海波を舞ったり、末摘花や藤典侍を競い合っていた頃ですね。

物語も、明るくて楽しかった。

その後、だんだ重くなっていくんですが…。

 

個人的に好きな話は、「空蝉」です。

源氏が若い頃の恋の話。

 

空蝉は、元々は上流貴族の娘として生まれ、入内を望むほどの身分だったのに、父の死で後ろ盾を失い、雅さとは程遠い田舎者の男の後妻になります。

自分と、幼い弟が生きていくために、仕方のない選択だったんでしょうね。

でも、ふとした偶然で源氏と出会い、源氏に言い寄られて、内心空蝉も源氏に魅かれていたのですが、源氏の甘い言葉に惑わされず、源氏を振り切って夫と生きる人生を選択するという…。

 

人妻としてのプライドというか、身分は低くなっても、心は誇り高かったんでしょうね。

振られた源氏、ざまぁみろ、といったところでしょうか(笑)

思い通りにならない恋もあるんだぞ、と言ってやりたいですね。

 

その後、未亡人となって、弟の小君も立派な大人になった後、逢坂の関で源氏とすれ違う…というのが、なんとも切ないじゃないですか。

 

しかし、晩年、源氏は二条東院という御殿を建てて、自分が関係を持って忘れられない女人達を集めて住まわせるんですが、その中に空蝉もいるんですよね~(^_^;)

未亡人になって出家した後のことだけど、空蝉が二条東院なんかに入ったら、あの尼さん、実は源氏とデキてたのか~!!って世間にバレバレなんじゃないんでしょうか。

そのへんはいいんでしょうかね~?

ま~、空蝉も生きていかなきゃいけないから、源氏に面倒を見てもらえれば安心でしょうけど…。

 

源氏もどうしよーもない浮気者だけど、自分が関わった女人達はちゃんと最後まで面倒をみてるから、そのへんは偉いと言えば言えますが…。

 

でも、一番好きな恋のエピソードはというと、実は源氏と藤壺の宮の恋なんですよね~(笑)

 

道ならぬ恋…というのが、やっぱり一番ドキドキするし、萌えますね(笑)

切ないし。