かわいそうな奥さん。 | された側は忘れない

された側は忘れない

した側は、勝手に盛り上がって、めちゃくちゃにしていったのに、
忘れて暮らせているようだ。

された側は忘れる事はないのにね。

忘れられないけど、忘れないように。
私の思いを残します。

 

かまってちゃんのこの女の話は、

いつまでたっても、終わらない。

 

近くで聞き耳を立てて心配しているマサキも、

 

トシの話が長い事はわかっているようだ。

 

「ずっと同じ話するから、もう、適当に電話きりな」

と、紙に書いて私に見せてくる。

 

私は首を横に振る。

 

 

この女は

とにかく話が長くて、

とにかく話をする事が好きなんだって

 

とっくに気が付いている。

 

そして、

話を聞いてもらえたら落ち着いて、

聞いてもらえないと、逆上するんだろうな。

 

この電話を切ったら、

二度とこの女と話をするつもりはなかったので

 

最初で最後だと思って、

思う存分、話を聞いてあげるつもりでいた。

 

 

この女はこの女で、かわいそうな奥さんに、

 

いかに、

あんたの旦那がヒドイ男で、

最低な男なのかを教えてあげたくて。

 

「奥さんは、それでもいいんですか?」

と、言ってくる。

 

私は面倒くさいので、全ての質問に対して

「気が動転して、何も考えられません」と、

明言を避ける。

 

「離婚するんですか?」

とか、今後の事も聞いてくるんだよね、こいつ。

 

当然、明言を避ける。