朝来みゆかの「あさごはん、たべた?」

朝来みゆかの「あさごはん、たべた?」

恋愛小説やシナリオを書くお仕事をしています。
三度のご飯よりアイドルが好き? でも本はもっと好き!
記事内容に無関係の宣伝コメントは削除させていただきます。


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次に出る本のあとがきでお伝えしようと思っていたのですが、発行時期がまだ決まっていませんので、ブログを見てくださっている方へ先にご報告です。

 

ぽけ~

昨年末から育児を始めました。

 

妊娠出産について事前に読んでいたのは、川上未映子さんや山﨑ナオコーラさんの本で、

(『きみは赤ちゃん』、『母ではなくて、親になる』、どちらも名作)

いざとなると自分のケースとは違った点もあれば、

そうだよね、と参考にした点もあり。

『れもん、うむもん!』、『子宮の中の人たち』、など漫画も楽しんだなぁ。時間があった……!(遠い目)

 

妊娠中は特に苦しくなかったです。つわりもなく、マタニティファッションを楽しみつつ、普通に過ごしてました。

後期に肋骨が痛かったくらいで、一日中うなったりもしていましたが、今から思えば……(略)。

低置胎盤も解消され、無痛ですんなり安産でしたので、出産は苦しい記憶にはなりませんでした。

むしろその後の育児がー! こうやって文字にしようと思うまでに半年以上かかるほど、

苦行! ブラック! きつい!!!!

 

子育て、なめてた。……わけじゃなく、考えてなかった。自分から情報を遠ざけてた。

(正直、興味もなかった。)

 

自分でやってみてわかったのは、

こんなに大変な仕事はない! という事実です。

いろんな仕事をしてきて、そのどれもが続かない(ダメ人間)わたしですが、

他の仕事とレベルが違うように思います。

 

実際、大変なスタートアップ時の情報を細かに発信できている方も少ないんじゃないでしょうか。

第一子の子育て経過をリアルタイムでまめに発信できるのは、

もともとスポーツをやっていて体力自慢の方とか、子どもが全く手のかからないレアタイプだとか、

マゾだとか、産後ハイだとか、SNS中毒……とにかくわたしは全部逆(笑)。

 

あ、そうそう、家電アスキーの「男子育休に入る」も妊娠中に愛読しておりました。

KADOKAWAさんに打ち合わせにいったときに、ちょうど著者さん(というか編集者さんであるわけですが)をお見かけして、ちょっと興奮した思い出。

……話がそれた。

 


My育児の何が大変だったって、ファムズベビーと出会うまでの乳児湿疹との闘い。

(プロペトやアズノールよりもファムズベビーこそが神アイテムだった。このブログはアフィリエイトじゃないから! 信じて。)

ちょっとした物音や自らのおならで起きてしまう、そして泣く、子の眠りの浅さ。

飲む、吐く、出す、泣く。

こっちは、洗濯と授乳(混合だったので毎回ミルクも足す)で大忙しでした。

世話するっきゃないわけですが、母親になった現実を受け入れがたくてね……。

どうすればここから抜け出せるか考えるわけです。

死ぬか、死んでもらうか、家庭から離脱するか、過去にタイムスリップするか、くらいしか浮かばず。

地獄でした。頭の中が。

 

要するに、

1)消耗した身体で、

2)睡眠不足の状態で、

3)コミュニケーションの取りづらい相手と関わり続ける24時間XXX日。しかも命がかかってる。責任重大。

4)食べ物のかけらが肌についたらアレルゲンになるので、こまめな掃除も必須。目に見えない恐怖。

こりゃきついわ。

 

対応はすぐにしないといけないのに、結果がわかるのはずっと先。

不思議な仕事だ。

 

今も自分の食事やお風呂はタイミングを見計らって急いで済ませていますが、

初期と比べて楽になりました。

長い子育ての期間全体を考えると、今も初期なんでしょうけれど、

成長をつぶさに見られるのはおもしろいです。(ずり這いを練習中の我が子。)

食べられる食材が増えてゆくのも嬉しい。(甘いものが嫌いな我が子。)

どうやら手のかからないタイプではなかろうか。(おとなしく座り、絵本が大好きで、よく笑う我が子。)

 

シッターさんに来てもらって、仕事は再開しています。

保育士資格のあるシッターさん、神です。

自宅が保育園。この暑い時期に、ありがたいです。

一日に数時間、ひとりになれるおかげで、精神的にも肉体的にも救われました。

成長を見守ってくれて、発達を促す遊びもしてくれて、求めればアドバイスも。

さらに我が子のお昼寝中は、食器洗いや掃除までしていただけるのです……!キラ

アフィリエイトじゃないですが(再び)、キッズライン、いいですよー。これから登録なさる方、ご連絡くだされば紹介コードお知らせします。

 

(見違えるほど肌が綺麗になったので、本当に嬉しい……。)

 

でもね、

肌が汚い頃の写真もたくさんあるわけなんですが、

本人笑ってるのよ。

かゆくて眠れなかったのに、発疹だらけ傷だらけなのに、

目を見開いてこっちを見ながら。照れたように顔を傾けて。数々の笑顔が残ってる。

 

この子を、かわいいと思えなかった自分。それほどまでに参っていた自分、を痛感する次第です。

「心から子どもがかわいいと思えるようになったのは、一年くらい経ってからでした」 

そう正直に話してくれた友人の言葉に、どれだけ励まされたか。

「いい加減にして! もう寝てよ! って、ベッドに乱暴に置いたこと何度もありますよ」 と、元同僚も言ってました。

わたしだけじゃないんだ。

虐待の入り口って、日常のそこかしこにあると思うし、

八つ当たりと虐待の境って、あいまいだとも思う。

 

 

歯

子育ての先輩である友人たちは、いつも優しく、親身になってくれます。

散歩に誘ってくれたり、便利アイテムを譲ってくれたり。

彼女たちと新たな関係を築けたのが、「子どもを得る」経験に付随して得られた恵みですね。

 

で、記事タイトルの『これからのこと』。

 

保育園、幼稚園、幼児教室、習い事、お受験、どうする……? と、我が子のこれからについて考えるようになってきた最近。

電卓を叩き、検索し、悩む。楽しい。調べるのも悩むのも楽しい(笑)。

やっと前を向けたな、と思います。

未来は真っ白。すがすがしい気持ちで、情報を集めながら、無理せず成長を待ちたいです。

 

 

自分自身の仕事に関しては、細々と書き続けていければと思っているので、今までもこれからも変わらないスタンスですね。

工□が書けなくなった産後の後遺症も、快方に向かってきました!(笑)

引き続きどうぞよろしくお願いします。


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見上げれば、道の両脇から伸びた桜の枝が空にアーチを描いていました。

大勢のひとが春の門をくぐって楽しんでいるんだろうなと思います。

 

梅

お元気ですか。

Dearから始まるメッセージ、かしこまってしたためるお礼状、日々の報告、憧れをぎゅう詰めにしたファンレター……胸の中でぐるぐるしている言葉たち。伝えたい想いはたくさんあって、伝えられないまま発酵してゆく……。

 

毎年この季節になると、『春一番』(染谷俊)と、『RESET』(椎名へきる)を口ずさみます。

ライブに行ける日は遠いな……。でもいつかはキラキラキラキラ

 

ハート

退院して三ヶ月、過酷な冬期合宿はそのまま春期合宿に突入ガクブル

 

肉体的にも精神的にもきつい冬でしたが、

『旦那様はボディガード』の発売後、皆様のレビューに力づけられました。

お手に取ってくださって、さらに声を上げてくださり、本当にありがとうございました!!

 

ハート

身体はボロボロというかギシギシいってるのですが、

書きたいネタを見つけてしまったので、パソコンに向かう時間をどうにかひねり出しています。

好きなことができる幸せ! たとえ五分でも貴重な時間。

 

朝来みゆか名義での新作も必ず!お届けしますので、お待ちいただけると嬉しいです。

長い手紙を書くような気持ちで、日々を生きておりますよ。


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 やけに静かな朝。
 カーテンを開けて外を見ると、白い世界が広がっていた。まぶしい。

「わぁ……」

 二人で過ごす初めての冬が思いがけない景色を運んできた。
 寝室を出て、キッチンに立つ亮一に話しかける。

「ねぇ見た? 外」
「夜の間に積もったみたいだな」
「全然気づかなかったね」
「ああ」

 お互いに熱中していたから。雪に気づかなかった事情に思い至って赤面する。

「どうした?」
「ううん」
「朝飯できたぞ。雪かきが必要なら、この後やる」
「そんな、お誕生日なのに働かなくてもいいんじゃない?」
「動かしてないと身体が鈍る」

 今日は亮一が生まれた日。
 日帰り温泉にでも行って、おいしいものでも食べて、日頃の疲れを癒してほしいと思っていた。

「でもこんな天気になるなんて……」
「有休申請しておいてよかったな。今日は家でのんびりしよう」
「それでいいの?」
「何かしたいことあるのか?」

 しばし考える。そして提案。

「せっかくだから、雪遊び……とか」



雪
 ダウンコートにマフラー、厚手の手袋、イヤーマフ。防寒装備でいざ繰り出す。
 ささやかな庭には綺麗に雪が残っていた。
 太陽は雲に隠れたままだから、溶けるまでに時間がかかるだろう。
 まだ足跡のついていない白を踏んでみる。かかとの低いブーツで、そっと、そっと。
 靴底で知る感触がおもしろくて、足取りは次第に大胆になる。

「『雪やこんこ』の犬みたいだな」
「どういう意味?」

 訊き返すと、亮一は答えずに笑った。

「雪だるまでも作るか」
「それもいいけど……ひとりじゃできないことがしたい」
「何だ?」
「雪合戦」
「珍しいことを」
「亮一さんが鬼でいい?」
「……俺の知ってる雪合戦と違う」

 足元の雪を拾って丸め、「行くね」とひとこと。
 棒立ちの亮一にぶつけた――つもりが、雪玉はぽとりと地面に落ちた。
 日奈が魔球に開眼したわけではなく、亮一が避けただけだ。
 続けて雪玉を用意し、投げる。次もその次も当たらない。
 両手に雪を拾い、小さく丸めて左右連続で投げるもひらり、ひらりとかわされてしまう。日奈をからかうように黒いコートの裾が翻る。

「どうして当たらないの!?」
「某映画にこういうシーンがあるんだ。もう一回投げてみ。ここらへん狙って」

 言われた通り心臓の高さを狙ったのに、亮一は上体を後ろに倒し、雪玉の軌道を避けた。ありえない。

「亮一さんの身体ってどうなってるの?」
「さんざん見てるだろ」
「……見てたってわからないもん」

 超人的な動きに翻弄され、息が上がっているのは日奈の側という始末。手はかじかみ、口元は煙る。

「もう駄目。降参」

 雪の上にしゃがみ込むと、亮一が隣に来て腰を下ろし、そのまま仰向けに転がった。
 初めて会った日を思い出す。亮一もきっと同じ記憶を思い浮かべている。

「大人になってこんな遊び方するなんてな」
「うん」
「楽しい」
「うん」

 楽しいと感じてくれるのが嬉しい。ふたりでできること。ふたりだからできること。
 過去からつながる一本道はときにまっすぐ、ときに曲がりながら、この先もきっと伸びている。
 今の自分はあの頃の自分の続きだ、と思えた。

 亮一が隣にいるなら、真っ白な世界で遊びながら進んでいける。

「また降ってきた」

 見上げれば音もなく舞い落ちてくる雪。いつ止むのかまだわからない。

「そろそろ戻ろう。風邪引いたら大変だ」
「子ども扱い?」
「そんなつもりないんだけどな」

 過保護な旦那様に手を取られ、立ち上がる。
 たとえ身体が冷えてしまっていても平気。芯まで温まる方法なら、ふたりともよく知っている。

「あったかいレモネード飲みたいかも。作ってくれる?」
「もちろん。誕生日スペシャルで」

 犬の次は猫になって、温かな家でぬくぬくと。

 

 

                                 (Let's play winter
雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪


蜜夢文庫 本日発売です! 全国のリアル書店、ネット書店でどうぞ 書店

 

雪のお話を書こうと思って準備していたら、本当に首都圏も雪模様に……!

皆様、お足もとに気をつけてくださいね。

 

帯イメージ


旦那様はボディガード

 偽装結婚したら、本気の恋に落ちました』

  (著:朝来みゆか、イラスト:涼河マコト)

…こんなお話です…ハート
「新婚ならみんなしてることだと思うけど?」
大企業のオーナー一族に生まれた日奈。父とふたりで平穏に暮らしてきた彼女に、ある日、脅迫文が届く。
折悪しく、海外への長期出張が決まった父は、日奈の身を案じ、アメリカ帰りのボディガード・十和田亮一と偽装結婚させることを思いつく。
家でも会社でも、24時間日奈を警護する十和田。
日奈は彼と自分の距離が妙に近いことが気になって……。
過保護で奇妙な新婚生活の行方は?
エッチでかわいいハートフルラブコメディ。


竹書房 作品詳細ページ
http://www.takeshobo.co.jp/book_d/shohin/6146433


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昨年の夏、電子書籍らぶドロップスレーベルで配信開始となった

『新婚ボディガード 偽装結婚なのに本気で恋しちゃいました。』 が、紙の本になります!

 

『旦那様はボディガード

 偽装結婚したら、本気の恋に落ちました』 として、

蜜夢文庫の仲間入りをさせていただきますドキドキ

 

改めまして、朝来みゆかです。(あさごみゆかと読みます。)

紙になったらいいなと希望を持って書いたこの作品。

電子版(パブリッシングリンク刊)をダウンロードしてくださった皆様のお力があって、実現できる運びとなりました。

 

箱入りお嬢様とボディガードの偽装新婚生活。

リゾートハネムーンと、初めての家出と、初恋の謎……という内容です。

 

基本的にはお話はそのまま、軽微な修正のみ反映して出版予定だったのですが、

電子版の読者の方がまたお手にとってくださることを考えて、全面加筆修正の上、

どうしても書き下ろしを加えたいと思い、あとがきに代わるショートストーリーも収録していただいています。

本文中の挿絵もたくさんあるので、楽しみにしていてくださいね。

 

発売元:竹書房

レーベル:蜜夢文庫

イラスト(表紙・挿絵):涼河マコト先生

発売日:2018年1月22日

 

編集部ブログ 予告記事

 

まだ書影はネット書店に出ていないのですが、上記ブログでちらっとご覧いただけますよ。

亮一かっこいい~好

そしてリアル書店に飾るPOP用の文章も書いたので、もしお近くで見かけた際はわたしの悪筆を笑ってやってください。

わたしはまだ外出できないので、皆様が頼りです。全国の書店で、たくさん見つけていただけますように。

 

テレビドラマも始まりますし、今月は「ボディガード」が熱いキラキラ☆

 

 

鏡餅

ブログでは年始のご挨拶をしていませんでしたね。

新年、皆様いかがお過ごしですか?

 

わたしはツイッターでちらっとご報告したとおり、年末に入院しまして、担当さんとの最終確認はスマホでやり取りしていました。

ただでさえお忙しい時期にご負担をかけてしまった気がしますが……無事に本が発行されるのだろう記事を見て安堵しております。

 

体調は日に日に回復してきており、ソシャゲも二十日間のお休みを経て復帰しました(端末をいじる気になるかが、ある意味で健康のバロメーターだと思った、笑)

乃木坂ちゃん乃木坂46 透過のアンダーアルバムも聴いてます音符 “なみころ”は不動のNo.1だけど『My rule』も急上昇。『はじまりか、』よかった!泣けた!

……と、通常運転っぷりを披露しつつ。

 

今年は昨年以上に執筆のお仕事をがんばりたいです。

遠回りでもわたしらしく、TLと青春小説をお届けしますので、

ご縁を持てた皆様、気長に気楽におつき合いいただければと思います。

 

まずは発売まで一週間ほどになりました蜜夢文庫 『旦那様はボディガード』

応援どうぞよろしくお願いいたします。

 

発売日に向けてまたSS書きます。メモ


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ワイン
 仕事帰りのお嬢様(今はお嫁様になったわけだが)を確保して、流れで近所のバルに寄った。
 以前から気になっていた店で、予約はしていなかったが、ちょうどテーブル席がひとつ空いていた。

「今日、何の日か知ってる?」

 ナッツをつまみながら日奈が言った。
 爪の先がきらきらと光っていて、その七色に見とれていて、亮一の答えは遅れた。

「結婚して一ヶ月?」

 おそらく正解だろうと思って答えたのだが、日奈は首を横に振った。

「はずれ。それは先週でした」

 他に何があったか。
 夏前から一緒に暮らす中で、亮一が意識しない記念日が制定されていたのかもしれない。
 女子はそういう祝い事が好きなものらしいから。
 結婚記念日じゃなければ何だ?

「……勤労感謝の前日だよな」
「それはそうなんだけど、はずれ」
「カレンダーに書いてあったか?」
「ううん。書いてない」

 自宅の冷蔵庫に貼ったカレンダーにお互いの予定を書く決まりにしている。会社の飲み会やら友人とのお茶やら、ほとんどが日奈の用事だ。
 見落としたわけではないとすると、今日が何の日だか亮一には見当もつかない。

「知らなければ別にいいの」
「そんなこと言われたら余計気になるだろう」
「あ、駄目、検索するのは禁止」

 スマホを取ろうとした手を押さえられ、料理が運ばれてきて、話はうやむやになった。
 今日が何の日であっても、日奈が無事で、ふたり楽しくやれていればそれでいい。


煮物
「うまかったな」

「うん。近いし、また来ようね」

「ああ。で、さっきの正解は?」

 腹が満たされたところで蒸し返す。

「んー、ヒントあげる」

 日奈は右手と左手の人差し指をまっすぐ立てた。

「一、一?」
「そう」

 そしてダブルピース。

「二、二?」

 次はこうか、と亮一が左右の手でそれぞれ三を示してみせると、日奈はむくれた。

「真面目に考えてないでしょ」
「いや、考えてる。考えてもわからない」
「歴史の年号に似てるかも。語呂合わせだから」
「一一二二年に何か戦争でもあったか」
「年じゃなくて、日にちなの。今日、二十二日でしょ?」
「駄目だ。降参」

 白旗を上げると、日奈は嬉しそうに微笑む。

「亮一さんって、前より素直になったよね」
「そうか?」
「うん、絶対。わたしのおかげだね」
「そうだな」

 

 変わったこともあれば、変わらないこともある。
 たとえば予約せずにふらっと店に入る自由からしばらく遠ざかっていたが、段取り通りに進まなくてもこのお嫁様が決して不機嫌になったりしないとわかってからは、こういう夜も楽しめる。


「……素直すぎて怖い。否定すると思ったのにー」

 ささいな変化も見落とさない妻が、ずっと笑っていられたらいい。
 同じものを食べて、同じ家に帰り、同じベッドで眠る。これ以上何を望むというのか。
 酔いを覚ましながら歩き、部屋に着くなり抱き締めた。

 
スタンド
「わたしも毬絵ちゃんに教えてもらうまで知らなかったんだけど、十一月二十二日って『いい夫婦』の日なんだって」
「日付が変わった後に言われてもな」
「……誰のせい?」

 亮一のせいで時間が過ぎたと暗に責める唇を優しくふさぐ。

 息継ぎの合間に日奈が上目遣いで見上げてくる。

「悪い夫婦?」
「この上なくいい夫婦だろう」

 嵐のようなひと夏を越えて、いくつもの夜が明けて、夫婦になった。
 たった数ヶ月。でももっと長い時間を日奈と過ごしてきた気がする。
 これからの方がもっと長いんだろうと思うのは、悪くない想像だった。

ぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハートぶらっくはーとボーダーハート

 

『新婚ボディガード』 その後の小さなお話でした。そういえば恋仲になるまでを書くことが多いので、夫婦になるまでを書いたのは初めてでしたね。

矢印 電子書籍は左の柱からどうぞ。

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