こんにちは。本当の愛と幸せを届ける講演家 中村美幸です。

ご訪問下さり、本当にありがとうございます。

このブログでは、小児がんを患った長男(渓太郎)との闘病、別れを通して知った「幸せ」や「愛」、「命」「生きること」について綴らせていただいています。

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ーーー「退院」とは、病気が治って病院を出ること。

 

ーーー「卒業」とは、亡くなって、病院を後にすること。

 

それは、腫瘍科病棟で付き添い看護をしているお母さんたちの間で使われていた言葉。

 

 

「この世での課題を修了した」という意味が込められた「卒業」という言葉を知ったとき、手を振りながら、元気に旅立っていく子どもの姿が頭に浮かんで思わずつぶやいた。

 

「なんて優しい言葉なんだろう・・・」

 

 

 

 

渓太郎がこども病院を「卒業」したのは、それから数か月後の12月25日、クリスマスの夕刻。

 

その日から、お通夜や葬儀など慌ただしく供養が続き、ようやく落ち着いたのは、お正月を二日後に控えた12月30日。

 

 

まだ現実を受け止めきれない私が、静かになった居間で呆然としていると、ふと、サイドボードの上に置かれた、積み重ねられたままの年賀状が目に入った。

 

 

(そうか・・・今年は、出せないんだ・・・)

 

 

そう思いながら、その中の一枚をとると、そこに印刷されていたのは、ニコニコと満面の笑顔を浮かべる渓太郎の写真。

 

そして・・・

 

その隣に書かれていた「明けましておめでとうございます」という言葉・・・。

 

 

(「おめでとう」・・・か・・・)

 

 

悲しみに打ちひしがれている私の胸にグサリと突き刺さってもいいはずの言葉が、なぜか私の心にやさしく響いた。

 

 

 

 

そして、その二日後。

 

新年を迎えたばかりの1月1日の昼頃。

 

 

固定電話が鳴った。

 

 

「もしもし」

 

 

「・・・中村さん?」

 

 

「あっ!タクちゃんのお母さん」

 

 

その声を聴いた私は、少しだけ心に温もりが戻った。

 

たくちゃんとは、腫瘍科病棟で一緒に闘病していた渓太郎のお友だち。

 

そして、たくちゃんのお母さんも付き添い看護をしていたため、私もとてもお世話になった方だった。

 

 

「・・・タクね。帰ってきたよ」

 

 

「そうか!外泊できてよかったね。お正月はおうちで過ごせるんだね」

 

 

「・・・うん・・・」

 

 

そう言った直後、受話器の向こうから、叫ぶような泣き声が聞こえてきた。

 

そして、その声に混じってかすかに聞こえてきた・・・

 

 

「死んじゃった・・・タクちゃん死んじゃった・・・」

 

 

(え・・・・・・)

 

 

 

言葉を失っていると、タクちゃんのお母さんがゆっくりと話し出した。

 

 

 

「新年を迎える3分前だったの・・・。

 

看護師さんがね・・・。

 

『タクちゃんはきっと、渓ちゃんと同じ船で天に帰りたかったんだね』って言ってた・・・。

 

今ごろ、二人で一緒に天国に向かっているかな・・・」

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間・・・

 

「卒業」という言葉を初めて知ったときに頭に浮かんだ、あの場面が蘇った。

 

 

 

この世での課題を修了したタクちゃんと渓太郎が、大きく手を振りながら旅立っていく姿。

 

そのたくましく、元気な二人を見たとき、悲しみいっぱいの心の中に一筋の光が差した気がした。

 

 

(そう・・・。卒業は・・・「おめでとう」なんだ・・・)

 

 

 

 

この時期になると、毎年思い出す。

 

この世での課題を修了し、新たな出発をした二人の姿。

 

 

「卒業、おめでとう」

 

(二人の旅立ちをイメージして描かれた 竹花ちよさんによる「天空に漕ぐ」)

 

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