こんにちは。本当の愛と幸せを届ける講演家 中村美幸です。

ご訪問下さり、本当にありがとうございます。

このブログでは、小児がんを患った長男(渓太郎)との闘病、別れを通して知った「幸せ」や「愛」、「命」「生きること」について綴らせていただいています。

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もう一度会いたい、温もりを感じたい、笑顔が見たい・・・
 
渓太郎を失った私に襲いかかってきたのは、「求める痛み」。
 
 
 
目の前に浮かびあがる渓太郎に向かって、両手を伸ばす。
 
「渓ちゃん、おいで・・・」
 
(ここがあなたの居場所だよ・・)と心の中でつぶやきながら、ゆっくりと肘を曲げてみる。
 
そんな私の腕が包み込むのは、からっぽの空気。
 
 

額縁の中に収まった渓太郎に向かって「お母さんはこんなに泣いているのに、渓ちゃんはどうしてそんなに笑っていられるの!」と悲しみをぶつけてみる。
 
優しい声が届かないのなら・・・と、無理やりあげた激しい声。
 
けれど、そんな声にも反応することなく、ひたすら私に笑顔を向ける渓太郎。
 
 

一緒に遊んだおもちゃの電話の受話器を耳に当てて、そっと呼びかる。
 
「渓ちゃん・・・」
 
息を止め、小さな声がこぼれてくるのをじっと待つ。
 
(・・・聞こえるわけ、ないよね・・・)
 
 
 
空回りを続ける私の肌、目、耳・・・心。
 
 
 
 
そんな日を何ヶ月も過ごした。
 
 
薄暗い世界の空気を吸いながらなんとか生きていると、いつの間にか、宙を抱きしめる回数が減り、額縁の中の渓太郎に向かって叫ぶこともなくなった。
 
そして、おもちゃの電話をそっとお仏壇の奥に供えながら、気がついた。
 
私を支えていたのは、渓太郎が遺した「切り札」だと・・・。
 
 
―――ボクは、絶対に戻らない。
 
 
 
 
それは「求める痛み」を徹底的に跳ね返してくれた、渓太郎の無言の愛。
 
 
これにより、私の「求める痛み」はゆっくりと、「渓太郎を失った人生を生きる覚悟」へと変化した。
 
 
 
 
「求める痛み」は計り知れない。
 
死者が、旅立つ恋人と違うのは、「決して戻らない」という切り札を遺してくれることなのかもしれない。
 
それは、「自分の人生を幸せに生きてほしい」と願う、もっとも深い愛の込められた「切り札」。
 
 

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