こんにちは。本当の愛と幸せを届ける講演家 中村美幸です。

ご訪問下さり、本当にありがとうございます。

このブログでは、小児がんを患った長男(渓太郎)との闘病、別れを通して知った「幸せ」や「愛」、「命」「生きること」について綴らせていただいています。

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(あと何日、こうしていられるんだろう・・・)

 

 

余命を数える単位が「月数」から「日数」になった。

 

 

その頃は、(もしも私が目を離した隙に呼吸が止まってしまったら・・・)と思うと、トイレに行くことさえ躊躇した。

 

食事をとることも忘れて、渓太郎の体にぴったりと寄り添い、膨らんだり、へっこんだりを繰り返す渓太郎のお腹をただ、ただ見つめた。

 

 

小さな口を開けたまま、苦しそうな呼吸を続ける渓太郎を見つめていると、これまで絶対に信じたくなかった言葉が、ほんの一瞬だけ、頭をよぎった。

 

 

(旅立つことで、渓太郎はラクになるのかもしれない・・・)

 

 

「もう苦しませたくない・・・」という気持ちが、「どうしても一緒に生きたい」という母親のエゴを、初めて超えた。

 

 

 

 

 

「渓太郎くんの様子はどうですか?」

 

 

腫瘍科部長の桜井先生が病室にやってきた。

 

 

その頃になると、主治医の先生だけでなく、桜井先生も毎日様子を見に来てくれた。

 

 

入口に立ったまま、そう問いかける先生に「少し苦しそうですと返事をすると、先生は、「そうですか・・・」と切なそうな表情を浮かべ、今度は私に向けて声をかけた。

 

 

 

「お母さんは、大丈夫ですか」

 

 

 

このひとことを聞くと、いつも涙がこぼれそうになった。

 

私の気持ちを少しも邪魔することなく、どこまでも静かに心を支えてくれた言葉・・・。

 

 

先生は当然わかっているのだ。

 

私が、全然大丈夫ではないことなど・・・。

 

 

 

だけど、先生は決して言わなかった。

 

 

 

「少しは休んでください」とも、「無理をしないでください」とも・・・。

 

 

だって、私が無理をせずにはいられないことも、休めないことも十分わかっているのだから・・・。

 

 

 

「お母さんは、大丈夫ですか」

 

 

 

この問いかけに、私はいつも同じ返事をした。

 

「はい。大丈夫です」

 

 

そして・・・

 

(先生がついていてくれるから)と、心の中で・・・。

 

渓太郎

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