「すべては渓太郎の命をつなぐため・・・。」

 

 

 

がんに効くと言われれば・・・

 

 

医師に内緒でキノコの粉末を与えた。

 

 

自然界のエネルギーを使った施術をした。

 

 

いろいろな場所にお祈りに行って、願掛けをした。

 

 

 

それでもダメなら・・・

 

 

 

自ら命を断っても保険金がおりるかどうかを確認したのち、

 

「医療技術の進んでいるアメリカへ行かせてください。」と、医師にお願いをした・・・。

 

 

 

 

 

しかし、なにかを察した医師に

 

「お母さん!アメリカに行っても、渓太郎くんの病気は治らない。」

 

と、厳しい口調で言われると、

 

どうにもならない現実に、自分が生きていることにさえ怒りが湧く。

 

 

 

 

「私の命さえ、なんの役にも立たないのか!!」

 

 

 

 

 

ほしいものはたったひとつ。

 

渓太郎の明日の命だけあれば・・・・。

 

 

 

 

 

そう思えば思うほど、これまで欲しくて仕方がなかったものがガラクタのように思えてきた。

 

 

お金や車、たくさんの洋服や家・・・。

 

 

 

 

 

(そんなものは、どうでもよかったんだ・・・。)

 

 

 

 

そんな気持ちになって、ようやく気がついた。
 
 
 
 
 
本当に大切なものは、獲得するのではなく
 
与えられるものなのだと・・・。
 
 
そして
 
 
本当に必要なものは、
 
すべて与えられていることも・・・。