春から親元を離れるムスメに、

 

「とにかく、生きてさえいてくれればお母さんは満足だよ。」

 

と、つい言ってしまったひとことに胸がチクっと痛くなる。

 

 

 

私の願いに応えようと必死にがんばった渓太郎と

 

私の願いに応えることがなかった渓太郎のいのち・・・。

 

 

 

 

どんなに願っても、がんばっても、人の手が及ばない世界があると知ったからこそ痛む胸。

 

でも同時に・・・

 

大切な人との別れがどれほど辛いかを知ったからこそ強くなる願い。

 

 

 

 

今を置き去りにして未来だけを眺めると、つい目の前にある幸せを見失う。

 

 

 

 

そんなときは、もう一度思い出す。

 

渓太郎のぬくもりや、一緒に笑ったときのこと。

 

 

 

 

 

大切な人が今、ここに生きていてくれることが、どれほどありがたいことなのか。

 

永遠に続くわけではないこの時間が、どれほど幸せなのか・・・。