★もう治療法はありません の気持ちの処理 | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問ありがとうございます。

私の記事を最初から全てお読みいただいて
いる読者の皆様は、ご理解いただいている
と思いますが、

そして、直近の
でも書きましたが、

困難な出来事が発生すると、とりあえず、
それを何とかしようと闘う性分の私にとって

なかなか受け入れるのが難しかったのは、

先の記事で書いた、予後の悪さ、死の恐怖
ではなく、

 (乳癌が皮膚を突き破るのは怖れましたが、
  痛みや、処置をしながらの長く困難な
  生活を想像して、、
  痛み、苦しみは怖れてはいますよ、
  伯父の末期胃癌を見ていますから)

「もうこれ以上の治療は
ありません」
ということでした。

微小転移がいるのは、限りなく黒に近い
グレー(私は、いると判断している)のに、

そして、

ドセ+ハーセプチンで腫瘍(腫瘤)は縮まず、
pCRしなかった、

・原発巣の抗がん剤効果は、
  1b(やや有効、中等度の効果)

その状況までは、厳しいながらも、
悔しいけど、事実として、受け止められた
  (死への恐怖と同じ理由かな)

・cCRしていたリンパ節転移は、
   行方不明、抗がん剤効果不明

これも、事実として、現実は受け止められた
 (主治医、病院との、割り切れない、
  別の燻っていた思いは残ったけど、
  それは、次の記事で書きます)

受け入れるのが、とても難しかったのは、
(今も心の中には燻っている)のは、

私の、微小転移はいる(リスク因子と、
科学的な結果からの私判断)のに、
効いたとは思いにくいハーセプチン
追加する抗がん剤が、

「もう、これ以上の治療は
 ありません」

理由は、患者集団のエビデンスから、
術前・術後の抗がん剤治療は標準化されて
おり、それ以上の治療はないから。
個別の個人の利益でなく、
患者集団にとって最善の治療として
標準化された治療しか、
認められていないから。

そして、私が唯一、治療に関して、
後悔というか、反省、
あの時の自分に教えてあげたい
のは、

ドセ+ハーセプチンで腫瘍が縮まず、
「これ以上は縮まないと思う」と主治医が
言った時に、
抗がん剤を追加あるいは変更してpCR
を狙って欲しいと、
術後にしたような議論をできなかったこと。

標準の壁に阻まれて、術後には全く無理
だったけれど、術前であれば、出来たかも
しれないし、出来なくても、出来ないって
ことが、より、ハッキリと分かった。

ドセ+ハーセプチンが終わってから、
FEC6回やらなくていいのかは、
ちゃんと主治医に確認はしました。
やらなくていいとの回答。
ドセ+ハーセプチン2回目が終わって、
腫瘍が縮んでいないことが分かった時、
「もう縮まないと思う。壊死してるかも
 しれないし。そういう人もいる。」
と、主治医は言いました。
患者心理で壊死しているかもしれない
と思ってしまったのも、自分です。
もう少し客観的冷静に判断すればよかった。
2cm強は、しこりが残ってたので。
そのタイミングで、FECの2回追加を
もっときちんとお願いして、
あの、術後の主治医との議論や
セカンドオピニオンを入れるべきでした。
そこまでは、思いつけませんでした。

それは反省点です。

でも、そんなことより、乳癌が死に至る
って知らずに、ステージ3Cまで放置した
自分が一番アホンダラで

あの時の自分に教えてあげたい

でも、しこりがグングン大きくなった時は
  ど素人たちの片手間仕事、ありとあらゆる
  人権侵害の限りを尽くして捏造さらた
  冤罪による強制力で、
  大切な大切な大切な、本当に大切だった
  中学受験を壊滅的に破壊され尽くした
  だけではあきたらず、
  居場所も知らされず養護施設送致まで
  されそうになったから、
  乳癌なんて分かったら、
  短絡的、知性のかけら
  もない、心無い鬼としか言い人非人たちに
  何をされていたか分からない、
  自分の乳癌、命などは、諦めるしか
  なかったし、それだけなら諦めもついた…

のは、放置して進行させた自分に対して
であり、治療以前の問題なので、

前年も検査してたのにステージが進んで
しまっていた、
ikuyoさん(自費でPET-CTまで受けていた)
やじゅりあさんの割り切れなさに比べれば
ぜ~んぜん、大したことない。

私の燻っていた思いが何なのか、
今回整理して、気付いた、分かったので、
前の記事にも書いた通り、

日本乳癌学会に、

ステージ3
(特に手術で取りきれない癌
  のあるステージ3B、C)
の術前化学療法は

目に見える縮小させるべき腫瘍があるから、
そして、特にHER2タイプやトリネガは、
pCRすれば予後がよいとの
臨床試験結果もあるのだから、

標準治療だけでなく、
個別対応もして、
ステージ4で使える薬剤も
使って、
pCRを狙えるような
運用にして欲しい、

 (もう、私には関係ないけれど、後続の
  乳癌患者さんのために)

という要望を出そうと思っています。
(一人の意見でどうなるものでなくとも、
 伝えなければ、何も変わらない、
 伝えるべきところに伝える、
 私の性分です)

そこまでが、私個人としてできること
の全てだと思うので、
それで納得、というか、割り切るのです。
やれるところまでやって初めて、
割り切れる性分なのです。

pCRしなかったおかげで、ステージ4の
より厳しい状況になる前に、
「もう、これ以上の治療は
 ありません」
という現代医学の限界を
知ることができたのは、
よかったことだと思います。

遠隔転移したら、極々一部を除いて、
根治する治療法はない、という現実
冷静に受け止めることができました。

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この記事だけお読みになる方が
誤解をするといけないので
念のため補記します。

私など一罹患者が意見を述べる必要もなく、
この記事を書いた後の乳癌診療ガイドライン
の改訂で、
局所進行乳癌(ステージ3)、炎症性乳癌は
「特殊病態」として区分けされていました。

再発転移後(ステージ4)に使える薬剤が
術前化学療法で全て使えるようになった
わけではありませんが、
患者集団の臨床試験で、有効性が高く、
認容性も高いという結果の出た薬剤は
使えるようになってきています。

昨年、予後の悪いHER2陽性、トリネガが
pCRしたら予後がよいとのメタ解析結果も
サンアントニオで発表され、

pCRしなかった患者(予後が悪い)への
術後補助療法の追加までは、
漕ぎ着いたようですので、

特に予後の悪いと推測される患者群の
術前化学療法のあり様は、
さらなる個別化
(ホルモン受容体やHER2タンパク以外の
 ターゲット因子の発見・治療開発)
進化とともに、
進化していくのではなかろうか、
と期待します。

ーーー

術前化学療法のパージェタは
   欧米から約5年の
  ドラッグラグを経て、
   術後補助化学療法
     (こちらはドラッグラグは約1年、
       劇的に短縮した)
   とともに
   昨年、2018年10月10日に認可されました。



▼ トリネガへの
  免疫チェックポイント阻害薬
  アテゾリズマブ (テセントリク)
  の適応拡大では、
  手術不能な局所進行
  (ステージ3B、3C)も含んで
 認可されました。


  私の5年前の
  残念だった思いは昇華
  しました。

  (私がパージェタやテセントリクを
   今から再発転移リスク軽減のために
   使えるわけじゃないですが、
   ~私が次に乳癌治療するのは、
       転移後の治療になるわけで、
       この問題は私自身の問題ではないので。
   それであっても、
   同病、同ステージの後輩患者さんたちの
   ために、そして医療の進歩そのものが、
   タチの悪いHER2タイプ乳癌の一罹患者
   として、喜ばし嬉しく感じています。)

ーーー

▼pCRしたら予後がよいかどうかは
   やはりサブタイプによって異なり
   HER2陽性やトリネガでは
  pCRすれば予後がよい、
   とのメタ解析結果が、
   2018年12月のサンアントニオで発表されて
   います。

    (私はサブタイプ別に臨床試験結果や
     論文を見ていたから、
     やっぱり、そっちの方が当たっていた)


▼そして、2014年当時、
  日本は臨床試験に参加しておらず、
  私が悔しい思いをした、
  KATHERINE(術前化学療法でpCRしなかった
  患者の術後療法にカドサイラを追加する)
  の臨床試験中間解析結果が出て、
  2018年12月のサンアントニオで発表され


▼2019年3月のザンクトガレンで
 HER2、トリネガは
 術前化学療法がより推奨され
 pCRしなかった場合、
 HER2陽性の場合は
    カドサイラ、
トリネガの場合は
    ゼローダ
 の追加が
    (患者集団では)予後を改善する
    臨床試験結果に基づき、
 推奨される流れになっています。


▼日本でも、8/30に中外さんが
    薬事承認の申請をして下さっています。


ーーー

因みに

▼私が初期治療(術前化学療法)をした
   2014年当時でも、
   転移性乳癌(ステージ4)には
   パージェタは認可されていました。

▼ステージ4でも寛解(根治かもしれない)例
   が出始めていることは、
   その後発信した記事で、
   折に触れて挟んできました。

▼2019/9月のESMOでは、国内での
   同様試験COMACHでも有効性が再確認
   されたことが発表されました。


ーーー

CLEOPATRA、COMACH、APHINITY、
そして、MARIANNE、ALTTOなどの
臨床試験結果から

▼HER2陽性では、

ステージ3(まで)
・術前化学療法
    アンスラサイクリンおよび
    ドセタキセル+ハーセプチン+パージェタ
    ⇒術後補助療法
        ハーセプチン+パージェタ

ステージ4
・1stライン
    ドセタキセル(6回まで)
     +ハーセプチン+パージェタ

現在のゴールドスタンダード
となっており、

ステージ4
・2ndライン カドサイラ

がスタンダードとなっています。

さらに、上述の流れで、
ステージ3(まで)の
術前化学療法でpCRしなかった患者は
術後補助療法にカドサイラを追加する
方向に大きく動いており、

私の5年前の残念だった思いは
昇華しつつあります。

 (私が今から再発転移リスク軽減のために
  使えるわけじゃないですが、
   ~私が次に乳癌治療するのは、
       転移後の治療になるわけで、
       この問題は私自身の問題ではないので。
   それであっても、
   同病、同ステージの後輩患者さんたちの
   ために、そして医療の進歩そのものが、
   タチの悪いHER2タイプ乳癌の一罹患者
   として、喜ばし嬉しく感じています。)

ーーー

そして、現在進行中で

▼HER陽性3rdラインの治療選択と効果の
   臨床研究が進められています。


▼私は術前化学療法のハーセプチン+ドセで
   腫瘍はほとんど縮小せず、pCRしなかった
   けれど、
   HER2発現は強陽性3+→陽性2+(FISH陽性)
   になっていました。
   ハーセプチンは役目を果たしてくれた
   可能性が高いのだと思います。
   でもHER2発現していない癌が残った、、
   だから、HER2低発現でも効果が出ている
   1相、2相の臨床試験結果が出ていた
   DS-8201(カドサイラと同様、ハーセプチン
   のバイオシミラーに殺細胞性抗がん剤を
   くっつけた抗体薬物複合体ADC)が
   私の遺残癌 (手術で取り除きましたが、
   全身に流れていた微小転移が撲滅できて
   いない可能性は高く、ホルモン受容体ゼロ
   の私のHER2発現していない癌細胞は
   トリネガだったので…)のような癌細胞を
   抱えた、より多くのHER2発現患者に
   効く可能性を秘めている、
   と期待しています。
   HER2陽性(今までの基準と同一)患者には、
   先日、薬事申請がされています。


   HER低発現患者の第3相臨床試験も
   今年(2019年)1月から始まっています。



全員(ないし、ほとんどの)乳癌患者を
治せる治療は、
残念ながら、まだありません。
だから、医学界、医薬界が研究を進めて
下さっていて、
臨床試験の結果が出ると、
それを反映して
標準ガイドラインも進化するし、
新薬は保険診療として認可されていきます。

※私は中外製薬の回し者ではありませんが
   HER2タイプ
   (トリネガ再発転移の可能性あり)
   乳癌罹患者としてハーセプチンの
   恩恵にあずかり、
   再発転移したらお世話になるであろう
   パージェタ、アテゾリズマブを
   次々開発し、治療を受けられるよう
   認可申請、認可にこぎつけて下さった
   ロシュ/中外製薬さんに感謝し、
   今後の研究開発にも期待しています。

   DS-8201の第一三共さんにも
   期待しています。
   
(2019/11/10 紫字追記)