久しぶりにカメラの製造年月を調べて見ました。
対象は、1959年発売の、35mmレンジファインダー(RF)、フォーカルプレーン(FP)式の「Yashica YE、YF」です。
元々は、Niccaが1958年に「Type-33、Type 3L」として発売したものを、Yashicaが買収し自社ブランドで発売したものです。
Yashica YE、YFの詳細は、以下に写真入りで掲載されています。
http://myweb.tiscali.co.uk/iannorris/leica_copies/leica_copies_y/yashicaye.htm
http://myweb.tiscali.co.uk/iannorris/leica_copies/leica_copies_y/yashicayf.htm
Yashica YE :1959-60年製造、番号 190,xxx - 699,xxx(不連続)、3,000〜4,000台。
Yashica YF :1959-60年製造、番号 450,xxx - 49x.xxx (不連続)、7,000〜10,000台。
既に、Leica M3が1954年に衝撃のデビューを飾り、Leicaコピー機との格差を拡大しました。
僅かに、1957年のNikon SP、1961年のCanon 7あたりがM3対抗馬です。
そこで、日本各社は一斉に一眼レフに舵を切りました。
Yashicaも1960年に初の一眼レフ、Yashica Pentamaticを発売。
YashicaのE型がYE、F型がYFで、次はYGの筈でしたが、RF機はこれが最後となりました。
因みに、各社一眼レフの発売年は以下です。
1952年 Asahiflex I
1955年 Miranda T
1957年 Topcon R
1958年 Minolta SR-2、Zunow
1959年 Nikon F、Canonflex
1960年 Konica F、Petori Penta V
1961年 Mamiya Prismat NP
前置きが長くなりましたが、調査方法は簡単で費用もかからないネット検索です。
財力のあるコレクターなら、現物を買い漁るのでしょが、貧乏人にはもってこいの方法です。
でも、結構根気が必要なので、休み休み足掛け2日かけて調べました。
それぞれ約30件の調査結果を番号順に整理し、結論は以下です。
上記引用のtiscalのデータと、製造時期、製造番号は一部相違があります。(下記赤字部)
【1】Yashica YE:製造番号体系は、月+年+ラニング番号(3桁 or 4桁)
(例1) 128049 ⇒12月1958年製造、049番目
(例3) 128629 ⇒12月1958年製造、629番目
(例4) 190005 ⇒ 1月1959年製造、0005番目
(例5) 495056 ⇒ 4月1959年製造、5056番目
(例6) 699925 ⇒ 6月1959年製造、9925番目
従って、1958年12月に約1,000台、1959年1〜6月に約10,000台製造となりますが、欠番があるようなので実際はこれより少ない台数?(上記では、3,000〜4,000台)
【2】Yashica YF:製造番号体系は、月+年+ラニング番号(4桁)
(例1) 470049 ⇒1959(S34)年7月製造、0049番目
(例2) 481073 ⇒1959(S34)年8月製造、1073番目
(例3) 493063 ⇒1959(S34)年9月製造、3063番目
(例4) 496187 ⇒1959(S34)年9月製造、6187番目
従って、1959年7〜9月に約6,000台製造となります。(上記では、7,000〜10,000台)
1959年4〜6月に製造されたとしたら、ラニング番号から極く少数と推察します。
Yashica YEとYFは並行生産では無く、順番に製造されていたことが製造番号から分かります。
それにしても、YFの製造期間が3ケ月と短いのに、YEより台数が多いとは。。。
更に根気よく継続的に調査すれば、サンプル数も増えて正確な台数、時期も判明するでしょう。
Leica、Nikon、Canonなど有名機種では各種書籍やネット情報も豊富で、製造番号対応の履歴も整備されていますが、マイナーな機種では情報も少なく、自分で調べるしかありません。
しかも、情報が必ずしも正確で無い場合もあり、現物主義で確認するのが間違い無いですね。
謎解きの番号示す何時の日か