今日も東洋館で「漫才大行進」

普段東洋館はお客さんがいっぱいで土日は若い人もいてすごく賑わっている。GWの時なんかは客席に入りきれないので、劇場の扉をあけてロビーから立ち見をするくらいの賑わいだった。

なので、お客さんもあったかい。芸人側も試したいネタをかけて反応を確認し、直していく。


そんな賑わっている東洋館にも半年に一回、いや三ヶ月に一回くらい「魔の日」が訪れる。

20人程度のお客さん、淀んだ空気、多重債務者のような虚ろな表情で見つめる観客に芸人達が食い殺され、何をやってもウケない「魔の日」

本日はその「魔の日」だった

「魔の日」は「平日」だったり、「普段より入場料が割高」だったり、「出演者」だったり、「雨」、「若い人ゼロ」、「不景気」、「円高ドル安」、「韓国に新大統領誕生」……などといったいくつかの条件が奇跡的に惑星直列のように重なった瞬間、訪れる。


そして今日もたくさんの芸人がその「魔」の犠牲になった。

大声で漫才やろうが、小声で漫才やろうが、開き直ってコントをやろうが、手品だろうが紙切りだろうが、やけくそで客いじりしようが、とにかく何をしてもスベる。

スベりという巨大な化け物に芸人たちが食い殺されていった。

スベりの前では若手も師匠も関係ない。

ただひたすらにスベり、色のないモノクロな世界が広がっていた。


都内のライブと違い、寄席は持ち時間が10分から15分
3分スベり続けるのとは訳が違う。

1分、2分、3分とスベり続けても、「次のくだりで!」という希望を持って挑める。
ところが7分以上もスベってると希望を持つ気力がなくなり、時間の感覚がおかしくなってくる
体感時間としては四半世紀くらいスベってる感覚に陥る。

ボケても無反応、つっこんでも無反応、フリを入れてる時は核戦争後の静寂にも似た静けさに包まれる。

そして舞台を終えて、袖に戻って来る時には総白髪だ。

そんな特殊な日を知って頂けると東洋館の楽しみ方もまた増える


もしあなたが東洋館にお越しの際あまり盛り上がってないなと思ったらそれはきっと「魔の日」なのかもしれませんね






今日思った事
2017年のマンガ大賞に「響」が選ばれたらしい。
なんでも15歳の少女が新人賞に投稿した小説が文学界を震撼させる話だそうだ。
ここからはネタバレ注意なんだが、その後とんこつラーメン「暖暮」を博多にオープンし、全国展開させる!!ネタバレするような事言ってどうもすいません!(顔は怒ってる)