御存じの方も多いと思いますが、戸隠神社中社では、戸隠のシンボルのひとつともいえる大鳥居の、八十数年ぶりとなる建て替え工事が進んでおります。
八十数年前とあって、前の鳥居の建て替えを知っている方はもういない、と聞いていたのですが、私共と仲の良い、御年九十歳のおばば様が新しい鳥居を見て「懐かしい」と涙を流されていたので、なんだ身近なところにいるじゃん!と驚いたのがつい数日前。
現在工事は無事にほぼ終わりとなり、あとは細かな作業と足場の撤去を残すのみだそうです。
そのまさに現在ただ今の様子は、実際に足を運んでいただくか、もしくは戸隠ライブカメラや戸隠神社より発信されております情報にお任せするとして、今回は、ひょっとしてこれ、先代大鳥居の出来たばかりの姿ではないだろうかという写真を見つけましたので、こちらをご覧に入れようかと思います。
白黒なのではっきりとしたことはわかりませんが、今回新しくなった白木の色と、写真上部に見えます白いひらひら(神様をお招きするための、幣束(へいそく)らしきもの)から想起いたしますに、おそらくまさに八十数年前の、新しい写真ではなかろうかと。
次にこちら。
何年前の写真なのか残念ながら不明ながら、最初の写真と比べまして、素人目にもわかります鳥居の色の変化と、現在にも残るその後新しく奉納された狛犬と灯篭を見ますに、やはり一枚目の写真は当時新しく建てられた大鳥居と思われます。
(バスのカッコよさと、や、この時代でもバスが来ていたのかと驚きました。「車」の字の下で袴をはいている人物が、うちのご先祖様です。)
ちなみに今回新しくなった中社大鳥居は、白木の色があるせいか先代よりも大きなものと見えますが、実は全くサイズ。
まだ白木の削り香の残る、新造大鳥居。体感できますのは今だけと思いますので、なかなか言いにくい現在の状況ではございますが、あえて、ぜひともお出かけくださいませ。
せっかく古い写真をお見せいたしましたので、次回はこちらをご紹介いたします。
※追記※ 令和2年(2020年)9月25日
古い写真を整理しておりましたら、何たる偶然!
上記鳥居の写真が、先代鳥居の新しい姿であるという証拠を発見。
掲載したものと同じ写真がありまして、その写真の裏にはこう書いてありました。
「昭和十一年 九月二十五日 竣工式」
84年前の昭和11年(1936)、同じ9月25日という、なんという偶然。
歴史は今につながっていることを実感いたしました。