宮沢隆仁 オフィシャルブログ 100年後の子どもたちのために」Powered by Ameba

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前回も書きましたが、私は認知症患者さん本人に、外来で「認知症です」と確定診断結果を告げることにずっと疑問を感じてきました。

最初に外来で診療することができる患者さんの場合は認知機能が完全に廃絶していることはほとんどなく、さまざまな認知症の症状を示しながらも、一部の脳機能はしっかりと機能しています。したがって、「認知症」という病気が人間の一生にとってどのような結末をもたらすのかを想像することは可能でしょうから、認知症の診断告知はがんの告知に匹敵するか、それ以上のインパクトがあります。がんには治るがんもあり、本人が告知後に精神的に立ち直ればがんと闘うことが可能ですが、「認知症」は現時点では不治の病ですので、患者さん本人のショックはがん以上と言ってもいいでしょう。

長谷川式という認知症診断テストやMRIなどの画像診断を参考に、認知症という診断を本人と家族の前で意外と安易に告げている医師が多く、それを聞いた初期認知症患者さん本人は相当ショックを受け、認知症にうつ状態(またはうつ病)がかぶることもあります。認知症とうつ病は鑑別が困難のこともあると言われるくらいですので、病態と治療法をさらに複雑にしてしまいます。認知症初期の段階で、本人への認知症診断告知は病状を悪化させることはあっても改善するとは思えませんので、告知することの意義を見い出すことはできません。

私は、認知症初期の段階ではまず家族にのみ認知症診断の結果を告知することにしています。その後家族同席で、本人には「若干認知機能が低下し始めているから家事、運動、知的作業を家庭でやりましょう。そして、できるだけ人と交流するようにしましょう。」と指導します。アリセプトなどの抗認知症薬は生活内容改善の効果を見た後でも遅くありません。患者さんには、認知機能が低下し始めているという危機感を与えつつも、「希望」を残してあげるのです。

最近こんな高齢男性患者さんがいました。他院で認知症の確定診断を告知され、抗認知症薬を処方されていましたが、なんとなく元気がありません。MRIを本人に見せながら、「多少脳萎縮ありますが、運動しながら、日常生活で脳を使えば脳機能は回復するものだから頑張りましょう!」と告げたところ、伏し目がちだった目の色が変わりました。二週間後に再来院しましたが、奥さんの話では、日常生活が活動的になり、言動もシャープになったとのことで、大変喜んでいました。薬を変えなくても、医師の一言で病状は改善するのです。私はこの患者さんの抗認知症薬処方はいずれ中止にすることを考えています。

うつ病でも、うつ病患者さんに対していきなり「あなたはうつ病です」と告げると、病状がさらに悪化することがあるので、慎重であるべきであると言われています。超高齢化社会を迎えるにあたり、日本の医師は「認知症診断の本人告知のあり方」 について、一度考え直すべきではないでしょうか。そして、認知症患者さんのご家族は、本人への病名告知は控えてほしいと医師に対して要望してもいいと思います。

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