近藤理論を突き崩す③大腸がん肝転移治療も延命効果は明白 | がん治療の虚実
2014-01-25 00:20:16

近藤理論を突き崩す③大腸がん肝転移治療も延命効果は明白

テーマ:近藤誠氏への反論
前回は大腸がんステージIVに対する抗がん剤の延命効果は確実ということを解説した。
さて大腸がんステージIV(遠隔転移あり)のうち最も頻繁に起こるのが肝転移だ。30年ほど前は大腸がん肝転移は基本的に手術不能であった。しかし現在では①転移巣が少数、②小さい、③場所が悪くない、④他の臓器に目立った転移巣がないという条件なら肝転移巣切除で長期生存あるいは完治してしまうのも珍しくない。

この点に関しては近藤誠氏もしぶしぶ治療の有効性を認めているようだ。
たとえば「がん治療で殺されない七つの秘訣」という著書では、以下のように記載がある

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「他臓器に転移したがんは本物のがんで、治らない」と主張していますが、大腸がんの肝転移はその例外です。
~中略~
問題はその頻度です。「例外的ケース」がおおいと表現しましたが、あくまでもがんにしては多い、と言う意味です。
具体的には、肝転移が小数個に見えても、おなかを開けると小さな転移が多数見つかり手術不能とされる患者が多く、実際に転移切除が行われるのは約三割。そして術後、多くの患者に再度肝転移が生じてくるので、無再発を保つのは約三割。結局、手術したうちの一割程度しか治らないわけで、残りの九割にとって、手術は有害無益だったことになります。
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果たして本当にそうだろうか?
この主張に対する反証を挙げよう。
以下の生存曲線はフランスのある医療施設が、古くから全世界の大腸がん肝転移症例の予後調査をしている結果だ。

肝転移切除曲線1


これは無作為化比較試験と違い、後ろ向き研究というエビデンスがやや低い(レベルIV)のデータながら、4000人強となるとかなりの総数といえる。
大腸がんの常識として、あまり広がりすぎていない肝転移だけで、他に転移がない場合、大腸がん原発巣と肝転移巣を切除すれば完治する可能性が出てくる。

肝転移切除曲線2


肝転移を生じた場合、手術や抗がん剤治療を行わないと2年でほとんどの患者が亡くなることは前回提示した生存曲線でわかるだろう。

このグラフでは手術した場合、ずっと予後が改善することが示されている。
さらに最初に肝転移切除が不可能だった(多くは肝転移数が多すぎてあるいは広がりすぎて切除しきれないと判断された)患者が抗がん剤で転移がんが縮小し、切除可能となった場合も長期生存あるいは完治しているケースがかなりあることがわかるだろう。

これはまぎれもなく抗がん剤の腫瘍縮小効果が手術可能とならしめたことを証明している。

つまりこのデータは大腸がん肝転移患者でも手術療法は有効であり、さらに抗がん剤の延命効果と根治ならしめる力を表しており、二重の意味で近藤理論を論破している。

氏がいくら数多くの医学論文を読みあさっていても、このように自分の主張に都合の悪い研究は無視する姿勢が、医学界からの信用をなくしている一因といえよう。

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