近藤氏「抗がん剤は効かない」への反論II-⑦またもデマと印象操作 | がん治療の虚実
2011-01-30 21:54:01

近藤氏「抗がん剤は効かない」への反論II-⑦またもデマと印象操作

テーマ:近藤誠氏への反論
週刊文春1月27日号の記事に移動します。
まずは例によって臨床試験の生存曲線が上に凸の形を勝手に奇妙な形で人為的作為が入っている所見だと勝手に言っています。その例として転移性腎細胞癌に対する新規分子標的薬エベロリムス(製品名アフィニトール)の投与群、非投与群の曲線を挙げています。
Lancet. 2008 Aug 9;372(9637):449-56. Epub 2008 Jul 22.
Efficacy of everolimus in advanced renal cell carcinoma: a double-blind, randomised, placebo-controlled phase III trial.

上に凸なので奇妙な形と主張し、研究者の熱意が失せた後の最終結果では人為的操作が減るため素直な指数関数的(下に凸と言いたいのでしょう)な曲線になり人為的操作が減っていると言っています。
Cancer. 2010 Sep 15;116(18):4256-65.
Phase 3 trial of everolimus for metastatic renal cell carcinoma : final results and analysis of prognostic factors.

そして投与群と非投与群の生存曲線はぴったり重なっている(つまり投与してもしなくても延命に関係ないと言いたいらしい)。それなのに認可されたのは文藝春秋2月号での対談で述べていたようにあやふやなのに研究者と官僚、製薬会社が結託しているからだと言いたいらしい。

元の論文を調べたところ、呆れた事に前回までにここで指摘した誤謬をそのまま繰り返している。

まずこの最初の上に凸の生存曲線が発表された論文はその臨床試験の第2中間解析でPFS(無増悪生存期間)がエベロリムス投与群のほうが明らかに長く、試験を終了する前に決着がついてしまったという論文で、あとの下の凸の生存曲線を乗せた論文はその最終報告だ。

研究者の熱意も何も、患者さんに被害を与えない為、効果の差が早期に判明した場合には途中で中止するという試験デザインが最初から組まれていたのだ。

しかも初回にプラセボ(偽薬)を投与された非投与群の80%はそのあとエベロリムスが投与されているのだから二つの生存曲線が重なるのは全く不思議ではない。それをもって投与しても延命効果無しとしたベクティビックスと同じとするのはデマそのものだ。

さらにこの試験は元々効果的な抗がん剤がない腎癌に対して比較的近年開発され、かなりの効果を上げたスニチニブやソラフェニブといった分子標的薬さえ効かなくなった患者さんたちを対象としていたのだ。

ここにおいて、もはや抗がん剤は効かないという前提では成り立たない試験を例に挙げ印象操作するとは近藤理論の破綻と終焉を感じざるを得ない。

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