文藝春秋2011年1月号近藤誠氏の記事「抗がん剤は効かない」に対する反論② | がん治療の虚実
2010-12-21 01:46:40

文藝春秋2011年1月号近藤誠氏の記事「抗がん剤は効かない」に対する反論②

テーマ:近藤誠氏への反論

・抗がん剤に患者を延命させる力はない←大嘘
近藤氏は抗がん剤の効きにくい固形癌(胃がん、乳がん、大腸がんなど)は完治させることが出来ないことと言う意味で延命させることは出来ないと言っているようだ。
肺がんの無治療例と抗がん剤治療例の比較試験は生存期間中央値は4ヶ月対8ヶ月で治療群の方が良いように見えるが抗がん剤治療例の生存曲線のグラフの形が上に凸でおかしいから人為的操作が加わっていると主張しています。
治らないという意味では高血圧、糖尿病も治らない。しかし治療を継続するのは将来の合併症を予防できる確率が高まるからだ。とするとこれらの病気は治療しても延命させる力はないと言う表現が適切であろうか?
・抗がん剤治療の最重要事項である生存曲線の形がおかしいものは人為的操作の可能性が高い、と言う1986年の古い論文を根拠に主張しています(古い論文は間違いも多い)。
例外はないと決めつけていますが、そういうイメージで生存曲線の真偽を判定するというのは学会などでも聞いたこともありません。
また肺がん抗がん剤のどれを組み合わせても生存曲線は重なりたいして改善しないと紹介している論文の生存曲線グラフがあります。
ところが生存期間中央値はどの治療もちゃんと8ヶ月で全て下向きの凸のグラフになっているのですから前述の生存期間中央値は4ヶ月対8ヶ月と主張したわざわざ自己矛盾となるデータの紹介となっています。本人は気づいていないのでしょうか?(むしろ編集者のチェックミス?)
肺がんの別の臨床試験で延命効果のあったものなかったものを紹介していても効果のなかったものだけをとりあげて無意味だというのはナンセンスです。
複数の臨床試験で一つの治療法を評価しても結論が分かれるのは良くあることで、試験デザインの不備、患者背景の違いなどを分析して次の試験の教訓に生かすのが本来の筋です。それにより効果を上下させるいろんな原因を探ることが出来るのですから。
つづく

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