もう一つの日本美容外科学会JSAS | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

先週末の土・日曜日は第102回日本美容外科学会(JSAS)が東京ビックサイトで開催されました。
JSAS2014

以前から何度かブログで書いていますが、日本美容外科学会は日本に2つあります。
我々の間では同名学会問題と言われており、日本形成外科学会系の医師が中心となる英語表記JSAPSと、古くからの開業医が主体となる英語表記JSASの2つの学会がそれぞれ日本美容外科学会と名乗っています。
JSAPS側は形成外科専門医を取得しないと正会員になれないという、会員資格にかなり制限を持った学会ですが、一方のJSASは資格に制限無しという開業医らしい自由な雰囲気です。
一時期は両学会の併合が前向きに話し合われ、もう一息というところまで来ましたが、残念ながら諸事情で立ち消えになりました。
ただ、厚生労働省の指針(専門医認定機構)で医師の専門領域の資格をある程度厳密に定めるという方向性が示されたため、JSAPS側は形成外科という基本診療科のもとで厚生労働省の方針に則っていくということで進んでいます。一方のJSAS側は、そのような基本診療科をベースにしないために、現在のところ方向性は現状維持というところでしょうか。
どちらが良いのかは私のような一開業医には知る由もありませんが、美容皮膚科の隆盛によって美容外科的な領域が縮小していく状況の下、学会としての立場、力などにおいて影響なく、前に進んでいってほしいと切に願っています。

私はJSAPSに属しており、評議員も務めていますが、JSASも時々参加しています。今回はJSASの学会でランチョンセミナーの講演を依頼されて参加、講演してきました。
ランチョン

先月日本国内で初めて正規の厚生労働省承認(適応:シワや顔面のくぼみ)を得たヒアルロン酸である、ジュビダームビスタ(アラガン社)についての講演です。おそらく承認後にその実際の注入症例を供覧するという講演では我が国初という大役でした(先月協力頂いた学術モニターの患者様、有り難うございます)。
ヒアルロン酸自体は医師の個人輸入で10年以上前から使用されているために目新しい内容はないのですが、国から承認を得たという大きな前進があり、今後はより広まっていくのではないかと思います。

講演は解剖学的な話や世界のトレンドについてと実際の症例についてのお話をしましたが、残念ながら販売会社からはあまり情報を提供頂けない状況の下、個人として海外などで得た知識、知見をもとに注入材全般の特性をお話しをせざるを得なくて、講演準備はちょっと大変でした。outputだけではなくinputも今後はお願いしたいところです。ちょうど学会期間中に海外で同社の研修会があったようで、私はoutput、他のドクターはinput。。。。

さて、今回の学会ではサフォクリニックの白壁征夫先生による「日本における美容外科の歴史」の御講演があり、大変勉強になりました。白壁先生はお父様も美容外科医であり、まさに日本の美容外科の全てをご存じの先生です。フェイスリフトの世界的権威であり、JSAPSの重鎮でもあります。個人的に大変尊敬している先生です。
世界で初めての二重まぶたの手術の文献なども織り交ぜて、非常に分かりやすく、かつ深い内容のお話しでした。

学会シーズンという事もあり、まだまだ忙しい週末は続きます。。。。