美容医療:自分にぴったりの治療をするには | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

先日、美容医療に関わる医師の親睦会がありました。若手からベテランまで、チェーンクリニックから個人医院、大学病院勤務まで、多くの医師が集いました。
美容医療は形成外科と皮膚科学会だけでなく、美容外科学会も2つに分かれていますし、それ以外にも小さなグループがいくつもあり、横の交流はオフィシャルには不十分なところも多々ありますが、個人的なネットワークを繋げると非常に大きな人脈となります。今回はそんな繋がりを大事にしているドクターの集まりでした。本当に美容医療が好きな、熱心な医師ばかりです。
こういった人間関係は仕事上の悩み相談や情報交換をするのに重要ですし、新しい治療、より良い診療に役立つばかりでなく、業界全体を動かす一つの集団になり得る可能性を秘めていると思います。専門医かどうかだけではなく、全体を俯瞰した物言いをすれば、様々な考えの医師がトータルとしてこの業界をどう動かしていくのか総意を推し量る良い機会にもなります。

関東美容医師会

今回の親睦会では、内科的アンチエイジングで有名な青木晃先生(私の大学の先輩です)が、ワインとアンチエイジングについて講演されました。抗酸化力や殺菌力、長寿遺伝子の賦活化などを高級なワインを飲みながら聴講するという非常に有り難いものでした。

さてさて、
患者様個々の美容医療に対する要求・治療というのは、ワインに対する考えに似ています。

ワインをこだわる人は、勉強をしっかりしていて、その産地・品種・製造法にも詳しく、また微妙な味の違いを様々な言葉で表現します。美容医療にこだわる人も同じです。色んな情報を収集した上で、機器・治療法に詳しく、それぞれの違いを理解し、微妙な差まできちんと把握され、その効果に満足されます。
ワインに興味のない人は、品種や銘柄を言われてもちんぷんかんぷんで、ワインリストを見ても何のことか分からず、味も美味しいかどうかくらいの判断でしょう。美容医療の場合でも、機器や治療法の名前を聞いても分からず、効果があるかどうかの判断が主になり、微妙な変化などには興味を持ちません。

だからこそ、ワインであればソムリエに聞いて、一番好みに合うもの、予算的にマッチするものを選んでもらいます。美容医療も、ソムリエたる医師に話を聞いて、それ良さそうだな、希望に合うな、予算もぴったりだなと判断して治療を受けることが重要です。
何にも分からないからお任せします、と言われると、ちょっと困ってしまいます。
ワインであれば高いものを勧められ、何となくそれと言ってみたものの、味も分からず高くて嫌だった経験があるのではないでしょうか。我々の治療においても、良かれと思ってお勧めして実施したものを同じように感じられることもあります。
さらには悪いソムリエだと、高いもので今売りたいワインを勧めてくるかもしれません。悪い医師も同じように勧めてくるかもしれません。

逆に、ワインに詳しい人は、飲みたいワインが食事によって決まっていて、また好みもタンニンがしっかりしている、華やかなど様々でしょう。美容医療でも、顎のラインの締まりがほしい、ボリュームを増したい、目の下の5ミリじゃなくて1センチ下のしわを改善したい、痛いのは嫌いなどから自分はこの治療が好きというのがあると思います。
しかしワインに外れがあるように、美容医療でも、思ったのと違う、またはコンディションによって不満足な結果になるということもあります。

ボジョレーヌーヴォーが好きな人、つまりその年の新しいものを誰より早く飲みたい、美容医療では新しい治療を誰よりいち早く受けたい、そんな考えもあります。

一般医療は病気を治す、そのための検査は客観的な数値などで本人の自覚なくとも、データで示して医師が説明して治療となります。
美容医療は客観性も重要ですが、本人が何をどこまで気にしているのか、そしてどのレベルの治療まで受けるのか、主観的要素、希望も大事なのです。
そのためワインにおけるソムリエのように、知識のある人、興味のある人、何となく漠然と考えている人まで、医師がその人に合ったものを個々のレベルに応じて相談して治療へと導いていく作業が重要です。
ワインと同様に、美容医療も患者様が勉強すれば、より満足度も上がりますし、もっともっと楽しい。。。。かもしれません。
そんな本があると良いですね。
もちろん詳しすぎてソムリエが困るように、我々も知識がないと困ってしまうことになるかも。

同じような例えが化粧品でも言えます。これは診療でよく患者様にお話しをするのですが、詳細はまた次の機会で。