美容医療の学問としての基礎 | 美容外科開業医の独り言

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美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

昨日はキュテラ社が主催する「トータルスキンセラピーミーティング東京」に参加してきました。
先週のブログで書いたように、教育講演を依頼されましたので、機器やスキンケアの基礎理論などについて、アマチュアからプロまでをカバーした内容の講演をしました....とそのつもりですが、正直物理学の基礎を知らないと分かってもらえない話もあり、多分レーザーなどが専門ではない先生方には、一部ちょっと難しかったかもしれませんし、プロの先生方にはちょっと物足りない部分もあったかもしれません。それゆえ幾つかトリビア的なものもちりばめてプレゼンを作ったのですが、一番大事な部分がソフトの不具合からは表示できず、ちょっと申し訳ないという点もありました。レーザーうんちくだったんですが....
某大学の先生からは基礎の内容として面白く、学生の講義に使いたいという評価を頂きましたし、何とかお役目は果たせたかなと思います。
美容医療というのは学問としての基礎が乏しい分野ですので、昨日の会で最初にこの手の話をさせて頂くことは少し意味があるかなと感じています。

その後は各先生方、特に大学系の先生方からは基礎的なデータ満載の素晴らしい講演が相次ぎ、キュテラ社独特の学術的内容にて大変興味深く拝聴しました。
その一部、クリニカタナカの田中先生や聖心美容外科統括院長の鎌倉先生の発表では座長も務めさせて頂きました。素晴らしい発表有り難うございます。

今回の会を通じて感じたこととして、
学問としての基礎を今のうちに作っていかないと、美容医療というものが「医療」として確立できないのではと思います。世界的に見て、この業界の停滞や先行きへの不安というのは、何の医学的もなく進んでいく場合がある、時にビジネスとしての色が濃いということが一つの大きな原因でもあります。あまりに不安定なこの業界が、医療の一分野として地に足をつけたものになるために、医学という学問として捉え、しっかりと理論などを討議しあえるようになっていく必要があります。そういった意味で今回発表された諸先生方の力量は目を見張るものがあり、これらのアイデアや視点が学会等で活かされていくようになればいいなと思いました。

さてさて、
この会で講演されたり司会をされる先生方の殆どは以前からの顔見知りでしたので、控え室ではたわいもない話で盛り上がり、です。そういった会話の中で、案外診療のヒントとなる話も頂けるものですし、業界内の動向も分かったりと、貴重な時間です。
もっと長くいたかったのですが、ちょっと最近忙しく体力的に限界....のため、自分の出番が終わったら早々に帰宅しました。
今週末は韓国へ出張、新しい機器を見てきます。何社か訪問できるようコーディネートしてもらっていますので、きっと面白いお土産話ができると思います。