厳島神社の考察 ー②
厳島神社の写真は、最近はクロスバイクのテーマで使うことが多く、記事内容もそうなってしまうのですが。
クロスバイクと厳島神社というテーマは、本来全く別の世界ですが、宮島に関してはグレーゾーンが大きいのは仕方ないのですけど。
これから住み分けをしっかり考えて行かなければいけません。
さて、今回の考察は、市杵嶋姫(いちきしまひめ)命について語ってみたいと思います。
まず、一般的な紹介文として、記紀神話からの引用となりますが、天照(あまてらす)大神と素盞嗚(すさのお)命が、天眞名井(あめのまない=天界の井戸)で行った誓約の際に、アマテラスがスサノオの剣を噛んで吹き出した霧から生まれた三姉妹神の1柱です。
三姉妹神は三女神と呼ばれていますが、特に宮島では三姫神とも呼ばれます。
三姫神の御名はそれぞれ多岐津姫(たぎつひめ)命・多紀理姫(たぎりひめ)命・市杵嶋姫命で『いち(斎)き』は神霊を斎き祭るという意味があると言われています。
また、この誓約からは5柱の男神も生まれており、天忍穂耳(あめのおしほみみ)命・活津彦根(いくつひこね)命・天穂日(あめのほひ)命・天津彦根(あまつひこね)命・熊野櫞樟日(くまのくすび)命と言います。
この5柱の神さんは3女神さんと違いスサノオがアマテラスから受け取った勾玉から誕生しました。
明治維新の後の神祇制度下で、神仏分離が強制された時期に、牛頭天王と同一視されていた殆どがスサノオに名を変えられました。
その自然の流れとして、その子神の八王子も誓約で生まれた8柱にすり替えられてしまいました。
従って、本来の宗像信仰や厳島信仰とは、その根本が異なっているため、八王子系の市杵嶋姫命と厳島系・宗像系の市杵嶋姫命は、同姓同名の全く違う神さんだと区別されています。
なので、私のブログのもう1つの厳島神社のテーマである"伊都岐嶋の姫宮"には、八王子系の神社は含みません。
厳島神社・宗像大社での市杵嶋姫命は海の神さんですが、市杵島神社・市杵嶋姫神社では記紀神話の天孫降臨にあたり、邇邇芸(ににぎ)命に養育係として付き添い、立派に生育させたという伝承から、子どもの守護神(子供神社)として崇敬されています。
一説では猿田彦(さるたひこ)命と夫婦であったともされていますが、元伊勢として知られる京都府の籠神社では、主祭神である彦火明命と夫婦であるとされています。
また、同じ京都府の松尾大社では、中津島姫(なかつしまひめ)命の別名で主祭神二柱の一柱として祀られていますが、広島市中区のC59-161号機の隣にある市杵嶋姫命を祭る神社の名前も中津宮(なかつのみや)と言います。