9年前に、以前住んでいた近くの病院で

 すべり症の手術をした。

 腰椎の所に、3本のチタンが入っている。

 椎間板はセメントで固定されており、

 常に背中に甲羅をつけているような感じがする。

 

 「手術したら嘘のように痛みがなくなりますよ」と言う

 外科医の言葉をうのみにしたのが、間違いだった。

 

 術後、痺れが残るのは覚悟していたが、

 鈍い痛みはとれないまま。

 あの病院で手術をすると決めたのは

 私自身なので、どこにも文句を言っていけないのが辛い。

 

 まあ、歩けるし、痛みは我慢できないほどではない。

 ただ死ぬまでこの痛みと共に生きていかなければならない。

 時に落ち込むこともあるが、元来、楽天家の私は

 まあ、しゃあないと自分にいい聞かせる。

 

 介護予防目的で、リハビリデイに参加させてもらい、

 毎週火曜日の午前中、様々な運動機械を使って

 身体を動かしている。

 

 そのリハビリデイで仲良くなった89歳のおばあちゃんが、

 「あなた、七夕様にお願い事書いた?」

 「いいえ、書いてません。○○さんは書かれたの?」

 「えええ~~書きましたよ。なんて書いたと思う?

 初恋の人に会いたいって書いたの。」

 

 「初恋の人に会いたいですって! 思うことがお若い!

 でも、もう亡くなられているかもね。」と

 思わず意地悪な発言をする私。しまった!

 「そうよ、そうよ。亡くなっているかもしれないね。

 でも会えるなら、あってみたいのよ。」

 

 それから、76(来月には77歳)の私と、89歳のその方との

 恋談議に花が咲いた。

 お互いに恋自慢???

 

 「昔は電話がなかったでしょ。彼から毎週はがきが届いたわよ。」

 私も負けずに「私の彼からは、毎日はがきが届いていましたよ。」

 「結婚に至らなかったのはなぜ?」と尋ねると

 「その人は検事さんでねぇ~。

 私はその人のもとに飛び込んでいく勇気がなかったの。」

 

 

 そ~~なんだ、初恋はなかなか実らないものなのかなぁ~

 

 私も90近くになっても、初恋の人に会いたいと、言える

 おばあちゃんになりたいな♪