「ごめんね、しょーちゃん」
「ん?」
「今日はうるさくて」
「………ああ」
僕が謝ると、しょーちゃんは宝石みたいな赤いキレイな目を伏せて、すっごく穏やかにすっごく優しい笑みを浮かべた。
どき
しょーちゃんのことは、毎日毎日見てるはずなのに、そんな表情をされたらどきってなっちゃうし見惚れちゃう。
だって。
はっきり言って、しょーちゃんはカッコいい。
すっごいすっごいカッコいいから。
見た目年齢は25才ぐらいかなあ。30代まではいかない。お兄さんって感じ。
でもってイケメンってこういう顔のことを言うんだよねってぐらい整った顔立ちをしてて、時々カッコよすぎて『キレイ』にも見える。
しょーちゃんの顔はそんな顔。
しかも今はしょーちゃんと僕のお風呂タイム。
濡れ髪オデコ出ししょーちゃんの威力は、毎日一緒にお風呂タイムしててもどきってなるぐらいすごい威力。
だから一緒にお風呂がかっ◯えびせんなんだよね。
やめられない止まらないんだよね。濡れ髪オデコのしょーちゃんが。
向かい合っての湯船は、ちょっと窮屈なのに。
いつもは本当にふたりだけのお風呂タイムに、今日はさっきまで和もいた。
みんなでご飯を食べたあと、和が僕とお風呂に入るって大泣きしたから。
僕は和が生まれる前から離れに住んでて、和と一緒にお風呂に入ったことなんてない。
だから僕には無理だよって言ったんだけどね。
潤は何回かあるらしいから、潤と入ってって言ったんだけどね。
あまりにも大泣きするから、じゃあいつもしょーちゃんと一緒に入ってるから、しょーちゃんと一緒に何とかやってみるよって言ったら、今度は潤が、俺が雅紀と一緒に入って教えてやるって。
お風呂に入るだけなのに、大騒ぎ大騒ぎ。
『俺とがイヤなら雅紀ひとりで和を入れればいいだろ‼︎』
『そんなの、初めてだから無理だよ』
『だから‼︎なら俺が一緒にって‼︎』
『だからそれだと和を出す人がいないでしょって。今日初めて和と会ったしょーちゃんに、和のおむつとか着替えをやらせるの?それ、できると思う?』
『………それはっ………でも………』
『それに僕たち毎日一緒にお風呂入ってるから、一緒じゃなきゃやなの』
『………っ』
そこまで言ったらやっと渋々分かったよって言ったけど。
潤の僕大好きっぷりは、時々大丈夫?って心配になる大好きっぷりだよね。
「気にしなくていい。雅紀の弟ってことは、俺にとっても弟だから」
ちゃぷん
照れくさそうにこめかみあたりをぽりぽりしながら、しょーちゃんが。
しょーちゃんが、そんなこと言うから。言っちゃうから‼︎
「しょーちゃんっ」
その言葉に嬉しくなっちゃって、テンション爆上がりで、僕はばしゃんって音を立てて向かいに座るしょーちゃんに抱きついた。
そのままキスだってしちゃう。
しょーちゃん。
最初はずっと、ずっとずっと遠慮しかしてくれなかったしょーちゃんが。
僕の弟は、しょーちゃんにも弟って。
「しょーちゃん。しょーちゃん、しょーちゃん、大好き」
ご飯のときも、お風呂のときも、一緒に和のことを色々やってくれた。
だから和は、しょーちゃんのこともすっかり大好きだ。
ちょたん、ちょたんってしょーちゃんを呼んで、ちょたん、ちょたんって膝の上にのぼる。
しょーちゃんも嬉しそうに、和を抱っこしてくれる。
潤とはまだ微妙な空気だけど、それは潤が微妙な空気を出してるだけで。
「しょーちゃん、本当好き。超好き。大好き」
しょーちゃんに繰り返し言って、しょーちゃんに繰り返しキスして、そして。
テンションが上がって元気になっちゃった僕は、ちょっとだけしてって、しょーちゃんにちょっとやらしいおねだりをした。
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