第十七回 長良川の対決
1556年4月 道三は鶴山に向かった。
光安も向かい、十兵衛達も後を追った。
帰蝶「せっかく越前への道すじを用意したのに、甲斐のない父上じゃ」
信長「わしは行くぞ、親父様を助ける」と言い残して出て行った。
帰蝶「皆、愚か者じゃ」
長良川
高政の竹越道鎮が600人で先陣を切ることになった。
「わしが直々に行けば、勝負も早かろう」
道三については「殺すな。生け捕りにせよ」
信長が国境の大良に着いたとの知らせ。
高政は明智が来ないことを怒った。
そして戦が始まった。
十兵衛は怪我を負った光安を見つけ、川下から道三のもとへ急いだ。
勝敗は決定的となった。
道三は馬に乗り、鬼の形相で高政の前に現れた。
「高政、一騎討ちじゃ」
「負けと分かった悪あがきか」
高政「命までは取らぬ。軍門に下れ」
道三「そなたの父の名を申せ」
高政「黙れ、油売りの子。我が父は土岐頼芸様」
道三「この期に及んで、まだおのれを飾らんとするか」
高政「黙れ」
道三「そなたの父はこの斉藤道三じゃ。成り上がり者の道三じゃ」
「高政」と言って向かったところ、手下の槍が刺さった。
道三「我が子、高政、愚か者、勝ったのは道三じゃ」
十兵衛が着いた。「貴様」
高政「蝮の罠にはめられた。殺せば親子ろしの汚名が先々つきまとう、蝮の思い通りだ。十兵衛、わしを裏切った。ただちにわしのもとに参れ」
十兵衛「まことの気持ちを聞きたい。道三様はまことの父ではなかったのか。そうか、わしは土岐頼芸様とお会いして、一度も立派な方と思ったことはない。
でも道三様は立派な主君であった。己への誇りがお有りだった。揺るぎなき誇りだ。土岐様にもお主にもないものだ。わしはそなたにはくみしぬ。それが答えだ」
高政「次会った時はほなたの首をはねる時だ。明智城は即刻攻め落とす、覚悟せよ」
十兵衛は去った。
帰蝶は、道三が亡くなったこと、信長が船で戻っていると報告を受けた。
いろは太夫を呼んで「美濃に行ってくれぬか。頼みたき儀がある」
駒は、明智家が気になってしかたなかった。
十兵衛が明智の城に戻り、光安は「明智城をそなたに譲りたい。この城も高政方に攻められる。われらが討たれれば、明智家は途絶える。兄上から渡された明智家の旗印じゃそなたに渡す。城を離れ逃げよ、逃げて逃げて生き延びよ。左馬助も連れてやってくれ」
十兵衛「伝吾はどうしますか」
光安「伝吾には刀を捨てよと命じてある。高政も命までは取らんだろう。十兵衛、一刻も早く急げ。わしも後から行く、案ずるな。早く行け」
十兵衛「はっ」
牧に、逃げ延びることを伝えた。
伝吾たちが最後のあいさつに来た。
「口惜しい限りでございます」
十兵衛「明智家をこれまで支えてくれて、伝吾、すまぬ、無念じゃ。皆、達者でおれよ」
牧「私はここに残りまする」
伝吾「大方様が戻ってこられた時に本に戻しておきます。今日は旅に出てくださりませ」
十兵衛が見たら、明智城は火を放たれていた。
第十八回 越前へ
「尾張をめざす」
駒「高政様が包囲していて、無理です。手薄なのは北です」
牧「光安殿は?」
左馬助「父は、城の最期を見届けるのだと」残ったことを告げた。
十兵衛は、城に向かって一礼した。
伊呂波大夫は帰蝶から言われてここへ来た。
「もはや逃げ道は一つしかありません」
ある小屋に逃げ込んだ。
太夫は「明日越前に入ったら、朝倉様のもとへ参ります」
煕子が怪我をして、駒が手当てをした。
菊丸は駿河薬屋に戻ることにした。
「駒さんは何故私たち助けてくださるのですか?
駒「以前美濃の方々にお世話になって、3つの時に侍さんが火事から助けてくれ、麒麟を連れてくる話をしてくた
牧がその話を聞いて「亡き夫、光綱が娘を旅の一座の者たちに預けたと話していたのをことを聞いたことがある」と話した。
駒「お会いしたかった」
牧は喜んだ。
「私も信じます。いつの日か必ず戦は終わる。麒麟が来ると」
十兵衛は光安の言葉を思い出しながら、素振り。
越前の朝倉義景のもとへ。
「面をあげよ」
太夫「明智様をこの越前におかくまいいただきたいのでございます」
文をよこした。
「細川藤孝殿が、よしなに取り計られたいと」
朝倉「日々穏やかに暮らしたいのじゃ。そちのために尾張は動くと思うか?」
十兵衛「私に尾張を動かす力はございません」
朝倉「そなたを美濃に帰すわけには行くまい。しばらくおればよい。この一条谷は安楽の地じゃ。米代がいるだろう」
十兵衛「それは頂けませぬ。いただく理由がございませぬ」
太夫「もらっておけば良かったのに」
十兵衛「私が金をいただけば、細川藤孝様や帰蝶様がいただくのと同じです。心苦しい限りです」
太夫「なるほど」
空き部屋は屋根も壊れて、かまどから蛇も出る始末で、掃除が必要。
駒「質草が、要ります」
十兵衛「どうかお願いいたします」
駒と煕子が質屋に行った。
煕子は自分の帯を出し、数珠は出さなかった。
十兵衛は牧に「私は戦は好きではありません。されど負けて全てを失ってみると、己の無力さだけが残るのです」
牧「人には浮き沈みがある。武士には勝ち負けがある。沈んだ時にどう生きるか、負けた時にどう耐えるか。その時、そのものの値打ちが決まると・・・」
十兵衛は、子どもの頃父から聞いた言葉
「馬は誇り高き生き物である。勝っても負けても己の力の限り走る。それが己の役目と知っておるのじゃ。我らもそうでありたい。誇り高く」
駒が帰る日になった。
「いつかお会いできたら恩返ししたかった」
煕子はすっかり駒と馴染んだ「一緒に質に行ったのが、どれほど心強かったか。次はもっと粘ってみます」
尾張
柴田勝家が信長に、謀反の動きを知らせに来た。
「信勝の背後には斉藤高政がいます」
帰蝶「信勝様にお会いなさいませ、病気だと言って」
信勝「美濃の湧き水です」
信長「討ち果たす気で呼んだ。そたの顔を見てその気は失せた。
母上が悲しむ。そなたの美しさ・賢さに遠く及ばなかった」
信勝「私も兄上を妬ましく思っておりました。私がせんと願うことを全て成し遂げておられる
兄上さえいなければ・・・」
信長「それゆえ高政と手を結んだのか?我らは似た者同士ということか」
信長「信勝、そなた、これを飲め」
信勝「申し訳ございませぬ。どうかお許しくださいませ」
信長「飲むんじゃ、お前が飲めー」
土田御前が泣きじゃくった。
「信勝、愚か者」
前回の「神神ランチ」記事はこちら(2020年8月6日)
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http://ameblo.jp/miyacar/entry-12615494909.html
では、明日。