200808 日本代表合宿

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https://www.nikkansports.com/sports/column/figurekoi/news/201709140000139.html

 

08年夏、ジュニアの有力選手を集めた長野・野辺山での全日本合宿で目覚めた。羽生結弦はノービス時代、3回転ジャンプを次々に習得したが、さらにトリプルアクセル(3回転半)だけは跳べなかった。その合宿で初めて会ったのが、当時17歳の浅田真央。力まないふわっと浮き上がるジャンプを見て「力って、いらないんだ」と気付いた。試しに浅田の跳び方をまねて、軽く跳んでみると、1回で成功。氷の上を転げ回って、喜んだ。

 

 

WFS 34 インタ

まだフリーもSPもプログラムができたばっかりなんですけど、この合宿でフリーのステップとかジャンプのつなぎの部分を見ていただけて、今シーズンに向けて、そこを課題として直していきたい。SPは「ムーラン・ルージュ」の映画のエンディングの曲。だから先生は映画の内容は気にしないで、何回も自分で聴いて感じたことを演じてくれればいいと。フリー(ラフマニノフ「パガニーニの主題曲によるラプソディ」)もSPと同様に、自分なりの、イメージしたとおりの演技ができるようにしたいです。

今シーズンは、もしジュニアグランプリに出られたら、挑戦というかたちで、自分のせいいっぱいできる演技をできたらと思います。

 

 

8月中旬のインタ(Cutting Edge 2009)

はい、アクセル降りたの初めて!でも中京の全日本合宿で1回だけ。仙台に帰ってからは、まだ一度も跳べてないんです。でもあのときは・・・すっごくきれいに降りれたんですよ!トリプルを跳んだ感覚じゃなくて、あれ、ダブルアクセルだったのかな?って思うくらい、きれいに。

あのときは・・・どうしてできたんだろう?上手な人たちの練習をずっと見てて、ジャンプのイメージがしっかり持ててた。それプラス、スケート連盟の人たちに見られていたことで、気合が入っていたのかな?

でも実は、今年の全日本の合宿のときはすっごく不安だったんです。ジュニアのグランプリに出られるか出られないかが、気になって気になって・・・。男子は今年、5人までしか出られないって聞いてたから、村上大介選手、町田樹選手、佐々木彰生選手、吉田行宏選手と、あとひとりしか残ってない!そのひとりに入れるかどうか、すっごい心配だったんです。だからしっかり連盟の人にアピールしようと思って、ジュニアの合宿は気合が入ってた。

そこで頑張れば、新しいジャンプ、トリプルアクセルなんかも跳べるかもしれないなあって期待してたんです。ぐんぐんテンション上がってたのに、でもジュニアの合宿の演技会では、自分のスケートができなかった。ちょっと悔しかったです。

でもシニアの合宿が始まると、今度はシニアのすごい人と一緒に滑れる!そう思ってテンションはまた上がり出しちゃった!髙橋大輔選手とか真央ちゃんとか・・・。特に真央ちゃんのアクセル見てたら、力はそんなに要らないんだなあ、って。そう思ってなんとなく力を抜いて跳んだら、回って、片足で降りて、あ、やばい、跳べる、跳んじゃった!そんな感じだったんです(笑)。

シニアの人たちにも『トリプルアクセル跳べてよかったねえ』って言われました。みんなが僕と普通にしゃべってくれたし、すごく練習もしやすかった。大輔選手たちはアイスショーで前から知ってたけれど、舞ちゃんや亜紀ちゃんとは話をしたことがなかったので、『仲良くしてもらえるかなあ』ってちょっと心配してた。そうしたら、『羽生君は何歳でスケート始めたの?』とか、話しかけてもらえて、すぐに自然にしゃべれるようになって!それから同じジュニアの村上大介選手とも、今回は同じ部屋で、すごく仲良くなりました。大介君、もう4回転を跳んでて、すごかった!早く僕もああいうふうになりたいなあ。大介君とは今までしゃべったことがなかったけれど、ジョニー・ウィアー選手やアダム・リッポン選手の話をしてくれたんです。そんな人たちと一緒に練習をするのも憧れるなあ。

去年一番嬉しかったのは・・・やっぱり全日本ジュニアで、練習でもしたことがないような演技ができたこと!自分でもよくわからないうちに、気がついたら表彰台の上に立ってて。あれ、なんで僕、ここに立ってるんだろう、みたいな(笑)。3位までに入れるなんて、全然予想もしてなくて・・・。

実はあの前の日の報道で、『羽生はショートプログラム7位で、不本意な結果に終わった』みたいなことが流れてたんですよ。僕、7位なんてすごくいいほうだと思ってたのに!でもそんなふうに言われるんなら、フリーで頑張ってやろう!と思った。フリーではルッツまで5種類のトリプルを入れてたから、ノーミスできることはまずないんです。だからとにかく精一杯頑張ろうと思って・・・。そしたらサルコウがひとつシングルになった以外は、ほぼノーミス!

そんな全日本ジュニアも嬉しかったし、その結果で出られたアイスショーも!試合でもショーでも、お客さんがいっぱい見に来てくれること、その中で見てもらえることが、大好きなんですよ。ショーは客席で見ていても、自分で滑りたいなあって思ってしまう。客席で、あれ、体が勝手に動き出すぞ!みたいになっちゃうんです。特に今年のドリームオンアイスでは、一番好きなジョニー・ウィアー選手の演技を初めて生で見られて!

はい、この間、仙台のヨークタウン(ショッピングセンター)を歩いてたら、知らない人に声かけられました(笑)。『頑張ってね!』って。でもそのときは、JAPANジャージを着てたんです。金色だし、背中にでっかくジャパーンって書いてあるから、すぐわかったんだろうなあ(笑)。

去年いろいろ上手くいったことは、今年はあんまり考えないようにしています。ノービスからジュニアの試合に出て、そこで頑張れたことは、ノービスの時代の、もう終わったこと。今年から本当のジュニアになるからには、ジュニアなりのスケートをしないといけないし・・・。ジャンプやスピンだって、ノービスだから通用してたものだし、ジュニアでは全部を一段階上げないといけない。今年は、一からやり直しのつもりでがんあbりたいです。

ジュニアグランプリシリーズも、2戦目のイタリアに出られます。まだ僕の国際試合の経験は、今回でやっと6回目。そこで、ロシアのガチンスキー選手と一緒に試合するんですよ!ガチンスキー選手の演技は、去年初めてインターネットで見たんです。僕よりひとつ年上なだけなのに、もうトリプルアクセルを跳んでて、これはすごいなって思った。僕も来年はこれくらい跳べてるのかなあ。やっぱりグランプリに出るころには、トリプルアクセルも跳んでおかないといけないなと思って・・・目標になったんです。去年ガチンスキー選手を見たからこそ、アクセルの練習もできた。だからガチンスキー選手とまずイタリアで戦って、どのくらいジュニアの海外の試合で通用するのか、けっこう楽しみです。

他には・・・やっぱり全日本ジュニア!去年は3位に入ったけれど、ノービスだったからシニアに出られなかったんです。だから今年も、絶対3位までに入りたい、全日本シニアに出たいって気持ちがすごくあります。去年出られなかったのは残念だったけれど・・・。でもあの時は、たぶん太刀打ちできなかった。ジュニアとも差があったのに、シニアにはもっとついていけなかっただろうな、と思うんです。

やはりシニアの試合に出るためには、まずジュニアの滑りをしなきゃいけない!最近は僕もだいぶスケートが滑るようになったけれど、もうちょっと音がしないように、疲れていてもよく滑るようなスケートをしたいです。疲れてくると、どうしても爪先に体重が乗ってしまうから、滑らなくなる。滑らなくなると、よけいに疲れるんです。僕はまだ、体力ないですね・・・

全日本のお兄さんを見てると、ジャンプも僕らとは違って、タイミングで跳ぶ。本当に力を使わないんです。僕はまだ、疲れてくると、タイミングで跳べなくなってる。試合で緊張すると、体力のある演技の前半でも力みすぎて跳べなくなるし・・・もっと練習しなきゃ、と思います。

はい、今の日本選手たち、みんなすごいと思う。特に僕の好きな選手は小塚選手!小塚選手はスケーティングで本当に、ぜんっぜん音がしないんです。しかも一歩一歩が滑る!そこがすごいなって思います。プログラムで好きなのは、やっぱり大ちゃんの『白鳥の湖』!あれは「僕も一生懸命真似しました。特にストレートラインのステップは、半分以上真似できるようになったかな?貸し切り練習中、その時に流れてた曲に合わせてだけど、かなり練習したんです。

やっぱり上の人たち、強い目標が近くにいてくれるのは、すごくいいこと。自分も頑張ってあそこまで行かないとな!と思えます。お兄さんたちだけじゃなく、同い年の日野龍樹君、田中刑事君のことも意識はします。一年くらい前かな、ノービスの合宿で龍樹君がどんどんトリプルジャンプを跳ぶのを見ました。自分はトリプルなんか全然跳べないのに、龍樹君はサルコウまで跳べてたんです。『すごいなあ・・・』って思った。龍樹君を見て、自分も絶対降りてやる!って、すごい力になって・・・。上手い人を見て、そういう気持ちが出てくると、ジャンプもけっこう跳べちゃったりするんですよ。初めてトリプルトゥループを降りたのも、香港でアジアンノービスって試合に出たとき。僕と龍樹君と中村智君、3人派遣されたんですけど、ふたりしかフリーに出られないことになっていた。そのときは、僕が落ちるのはわかってたんです。龍樹君は2種類のトリプルが跳べて、智君はループまで跳べてた。僕だけトリプルが跳べなかったから・・・。これはもう無理だって。やっぱり跳べないことがわかってたサルコウをミスって、その後のアクセルは空回りしてコケちゃった・・・。あの試合が、今までで一番悔しかったです。だけどそのとき、もういいや、最後のトゥループ、跳んでやる!って思ったら・・・練習でも跳んだことがないのに、跳べちゃったんです!それが僕の、初めて跳んだトリプルトゥループ。やっぱりあれは、龍樹君たちが跳んでる刺激があったからできたんだろうなあ。

世界ジュニアを狙う、というより、とにかく全日本ジュニアで頑張って、できることをやって。それで出られなかったら、しょうがない。出たい気持ちはあるけれど、とにかく精一杯できればいいかな!

今の僕は練習もそんなに嫌いじゃないんです。小さなころから試合はずっと大好き、でも練習は大嫌いって選手だった。その練習もだんだん好きになってきて・・・小学校4年のころ、全日本ノービスで優勝したんです。そのころは学校に行く前に練習して、帰ってきたらすぐ練習して、もう誰にも負けないくらい練習してた。でもその年に、ここのリンクがなくなっちゃって・・・。勝山さんとか、厚生年金のリンクでしばらく滑ることになったんです。ノービスで優勝した時は1日5,6時間は練習してたのに、リンクがなくなってからは、滑れても、1,2時間。その時初めて、練習できないってこんなにつまんないんだ・・・って思いました。もうスケートしないと、1日が始まらない。遊びに行っても1日滑れないと落ち着かない。だから・・・やっとリンクの再開が決まった時は、嬉しかった!

去年、4年目の全日本ノービスで年ぶりに優勝できたのは、やっぱりこのリンクでたくさん練習できたから。トリプルもルッツまで跳べるようになって・・・本当に練習って、大切なんだって思いました。

あ、この色紙に何か書くんですか?何書こう?何がいいかなあ。緊張するなあ・・・。そうだ、『努力』!何に努力するか、今はスケートしかないです。去年の全日本ジュニア3位とか、そういうの全然関係なしに。とにかく自分の持ってる力を全部の試合で出し切るために、努力をしたいです。

その後は・・・大きな目標はオリンピックの1位ですけど、僕はバンクーバーは出られない。でも19歳のソチ五輪までは楽しみは残しておいて・・・それまでにしっかり完成度を上げて、ソチに出たいな、と思います。それまでは努力!

そのころには・・・憧れているふたりのスケーターージョニー・ウィアー選手とエフゲニー・プルシェンコ選手なんですけどーそのふたりを足して2で割ったような選手になりたいです。プルシェンコのミスをしないところ、ジャンプが確実なところ。お客さんに見せる部分はすごく見せる、そういうところ。そしてジョニー・ウィアー選手の流れるスケーティングと、やわらかい表現。いつかは、そのすべてを持ち合わせた選手になりたいです!

 

 

中野友加里さんの話

羽生君、全日本の合宿で、トリプルアクセル降りてましたよ!彼、すごく喜んでね、氷にころころ転がってた。すっかり氷と仲良くなってました(笑)

 

田村岳斗コーチの話

ジュニアでの合宿での練習を見てると、ちょっとしたところで気を抜くことはあるかな。たとえば、空中姿勢ではいいジャンプだったのに、着地で油断してぽてっとこけるようなことが、何回かありました。これどうやったら、こけられるのよ?、ってくらい綺麗なジャンプを跳んでるのに、ぽてっとやる。ジャンプ自体は悪くない、むしろすごくいいのにな・・・と。ああいう気の抜き方をしなければ、全然問題なく育っていく選手だと思いますね。