演劇/「ZIPANG PUNk ~五右衛門ロック3~」(2013) | みやのすけの映画倉庫/『ゴジラVSコング』への道
1/22東急シアターオーブにて
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太、三浦春馬、蒼井優、高橋由美子、村井国男、麿赤児

前作「薔薇とサムライ」でアドリア海を荒らし回った大泥棒石川五右衛門(古田新太)が日本に帰ってきたビックリマーク
折しも太閤秀吉(麿赤児)による朝鮮出兵の真っ只中。
五右衛門は空海の秘宝をめぐる争いに巻き込まれることに…。

待ちに待った古田新太の五右衛門第3弾ビックリマーク
こちらも気合い十分で望みました。
しかし…。

や、面白いには面白いんですけどね。
あまりにもお約束通りというか、これまで新感線は必ずお約束の少し斜め上をいってたから。
正直、今回は若干退屈しました。

まずミュージカルナンバーが多すぎビックリマーク
しかも似たような曲ばかりが隙間なく並んでいて、これでは効果がありません。
たとえ楽曲を2/3ぐらいに削っても盛り上げるナンバーを絞ってほしかった。

それから、これはまあシリーズものの宿命なのですが、見せる側と観客に「馴れ合い」の空気が生まれており、緊張感がなかった。
新感線の舞台といえばいくつかの約束事があったりしますが、これまでそれが緊張感を削いだことはなかったと思います。

とはいえ、見所はたくさんありました。

まずは三浦春馬ビックリマーク
キザもキザ、非道さも非道しビックリマーク
カッコよすぎるでしょうにひひ
舞踏少女探偵団を率いて歌い踊る姿の良さ。
歌、動き、芝居、三拍子揃ってキレがよく、こりゃ天才ですね音符

次に蒼井優ビックリマーク
まるで劇団員のような馴染み方に勘の良さを感じますが、何よりもその柔らかく大きな動き(体は小さくて細いですが)に魅入られます。

それから高橋由美子ビックリマーク
今や正統派ミュージカル女優の感もありますが、なぜここまで珍演・怪演するのかにひひ

加えて重量級の役者が二人。
まず村井国男ビックリマーク
「商人ですからね、何でも売りますよ」と言って国まで売ってしまう迫力はさすが。
更に麿赤児ビックリマーク
国を盗るのも女を盗るのも遊びではないかとうそぶく豪快かつ愉快な秀吉像は新しいです。
ゆえに、五右衛門と秀吉の絡みなど、かなりスリリングな演技合戦で、こういう場面がもっと欲しかった。

古田新太や橋本じゅんなど中核となる役者に激しい立ち回りやダンスを求めることは、年齢的に次第に難しくなっていくでしょう。
このままマンネリズムに陥ってしまうのか、それとも新たな作風を模索していくのか。
劇団は今、岐路に立っていると感じました。