感情がささやき掛ける時
次のような経験はありませんか?
特に不安など無い時に、
「そんなことしていて大丈夫か?」
「他の人たちは頑張っているぞ」
「身にも成らないことをやっていていいのか?」
「好きなことだけやっていて良いのか?」
「もう時間だぞ、何かやれ」
「のんびりしていて大丈夫か?」
「休日だからといって休んでいて良いのか?」
などと、不安を煽るような思考や思いが沸き上がってくることは有りませんか?
このような思いや囁き(ささやき)は、いったい何でしょうか?
このような体験がまったく無い人もいるかも知れません。
私の知り合いに、私と同じ体験をする人がいて、このことで話してみました。
その人は、幼少期から両親に
「何やっているんだ」
「もたもたするな」
などと、のんびりすることは「悪」という風に躾けられてきました。
また、自分の好きな事をやりたいのも「悪」という風に躾けられてきました。
いっときも立ち止まらず、休まず働き続け、動き続けることを強いられて来ました。
幼少期から家事手伝いをして一生懸命にやってきたけれど、その努力などは認められずに、むしろ逆に良いと思ってやったことでも否定され、怒られてきました。
両親に褒められたい一心で、親の気に入るように常に受け身で頑張ってきましたが、「お前は何をやってもダメな人間だ」と言い続けられて成長しました。
普通なら家庭は安らげる場所の筈ですが、彼女にとって家庭は一時も気の休まる場所では無かったのです。
日に三度のご飯も、親からは「お前にはただ飯を食わしてやっているんだ」と言い続けられてきましたし、学校に行くのにも学費のことで、ぐじぐじと言われ続けてきました。
そのために、高等学校を卒業したら逃げ出すように親元を離れて、早々に結婚してしまいました。
人生とは皮肉なものです。
息が詰まって死にそうな家庭から飛び出し、早々に結婚した相手は、何故か育った家庭と同じ環境を提供してくれる男性でした。
(このようなことは良くあります)
旦那の稼ぎは悪く、共働きで頑張らなければ成りませんでした。
旦那は仕事が終わって帰ってくると、もう酒を飲み始めて家の事は何もやらず怒鳴るだけです。
彼女は正社員で頑張りました。
家計を助けるために頑張りました。しかし、家に帰ってから家族の食事を作り、食事が終われば後片付け、お風呂の準備、洗濯と寝るまで休む暇はありません。
それでも彼女は頑張ります。
内心は辛いと感じますが、辛いと思う心を「悪」と思うので自分に鞭を打ちます。
そうして出産をし、子育ても一人で頑張ります。
休みの日には、旦那の両親の手伝いもやります。
平日は会社務め、休みには旦那の実家に行き両親のお世話。
何があっても自分の実家に頼ることなど出来ません。旦那も頼れません。
独りでずっと頑張って来ました。
こんなに頑張っていても職場ではパワハラに遭ったり、イジメに有ったり散々です。
強靭な心、精神で頑張り続けました。
そうこうして、30年が過ぎました。
生れてからずっと頑張って来ましたが、ついにダウンしてしまいました。
精神病を発症しました。
日常の生活が出来なくなったのです。
原因不明の様々な体調不良に見舞われ体重が激減、食事も喉を通らなく成り仕事も家事も出来なくなりました。
そういう状態でも旦那は「病院に行ってこい」と怒鳴るだけで何もしてくれません。
それどころか「俺の飯はどうなっているのだ!」と怒鳴るだけです。
具合が悪くて寝ていれば枕を蹴飛ばします。
せめて病院に連れて行って欲しいと頼むと、「自分で行ってこい」と怒鳴るだけです。歩くこともままならないのに、どうやって病院に行けば良いのでしょう。
こんな状態でも「私は何のために結婚したの」とは、彼女は思わないのです。
ただただ、自分の能力が無い、未熟だからと自分を責め続けます。
病院に行って診察しても、体調不良の原因は不明です。
「鬱病でしょう」と精神安定剤を処方してくれるだけです。
精神安定剤を飲んでも効果は有りません。それどころかモウロウとするだけで更に何も出来なくなります。
そんな状態が1年ほど続いて離婚となってしまいました。
離婚しても働くことも出来ません。
体調不良、激しい倦怠感、過食と拒食の繰り返し、頭は割れるほどの頭痛、吐き気も伴います。
背中や腰の激痛、もういっそのこと死んでしまおうかと、何度も高架橋まで行ったこともあります。
そして5年ほど経ちました。
今は長年蓄えたお金での生活が続いています。
質素に、それでいて充実しています。
それでも常に自責の念に追い回されています。
療養中なのに、毎日「仕事に行け!」、という囁きに悩み続けます。
彼女は、この世に生まれて来た自分を罪悪と思っています。
その罪を晴らすために、一時も休まず働き続けたのです。
彼女の命盤は「遷移宮に化忌」です。
「命宮にも自化忌」です。
十二の宮に「自化忌」が全部で5個もあります。
「必定」も四個あります。すべての「必定」が【串聯】出来ていません。
今の大限は死んでしまっても不思議の無い時期ですが、生きています。
何度も自殺を考えました。
彼女の運命は変えられるのか?
私は挑戦しています。
もう3年過ぎました。
最近は運命のシナリオどおりには成らなくなっています。
これは実験です。
最悪のシナリオを持った人の人生が変えられるのか。
彼女の最悪の10年運(大限)が変わるのに、あと2年ほどです。
年運では峠を越えました。
「死んでしまえ」という囁きに向き合う事、数年。
だいぶ、耐えられるようになりました。
耐えるというよりは、気に成らなくなったという方が正解です。
最近は日々楽しく。生きていて良かったと思えるようになりました。
生まれ変わった感じです。
それまでは真っ暗な闇を必死で、手探りで生きて来ましたが、今は明るい日差しを心地よく感じて、木々の緑、道端の草花の美しさを感じています。
食べるものも美味しく、自分が可愛く思えるようになりました。
アロマの香りが素敵です。引っ越しもしました。
お部屋を好みにコーディネートしました。
自分が好きになりました。
自分のためにご褒美をあげられるようになりました。
このように思って何がいけないの?
このように生活して何がいけないの?
誰かを苦しめているの?
誰も苦しめていないよね。
「長い間、ご苦労様、お疲れさま」と労をねぎらってあげられるようになりました。
それでも凶運は巡ります。
持って生まれた命盤のシナリオの凶運は巡ります。
そんな時は悪魔のささやきが聞こえてきます。
「おまえ、楽しいことが出来る身分か?」
「毎日、何やっているんだ、働きに行け!」
「お前など生きる資格は無い」
彼女は、これまでの人生でほぼ完ぺきに物事を行ってきました。
それでも悪魔のささやきは酷評です。
ささやきには耳を貸さない、耳を貸せば奈落に落とされると、彼女は気付いたのです。
そうです。
悪魔のささやきは、彼女の感情です。
感情というやつは、周囲の状況や、実際の状況は無視して、ささやき掛けてきます。
巡る運勢の凶運は感情に強く作用します。
悪魔のささやき(感情)がささやき掛けて来た時は、冷静に感情のささやきが正しいのか検証するように、私は彼女に教えています。
検証してみると、現実には感情がささやくようなことは何も起きていませんし、此の先も心配するようなことは有りません。
感情というやつは、信頼関係にさえも水を差そうとします。
自ら信頼を崩すようなことをさせようと、ささやき掛けます。
要注意です。