ひきこもり と「遷移宮」の関係
先日、「静岡ひきこもり支援センター」主催の講演会に参加しました。
講演会のテーマは「ひきこもりの現状を踏まえた心理的支援」でした。
講師は、宮崎大学 准教授の境 泉洋 先生でした。
占い師が運勢の吉凶判断だけではなく「ひきこもり」支援まで踏み込むのか? と、怪訝に思われる同業の方も居るかも知れませんが、私の場合には様々な「対人関係、鬱、ひきこもり、発達障害」のご相談が非常に多いのです。これを運の「悪い良い」という安易なことで片付けるのか? と、逆に疑問に思うことが多いのです。
紫微斗数という命術は、その人の持って生まれた心理状態を如実に反映しているのです。その結果、その人はどんな人生を歩むのか? ということが判るのです。
またこれらの潜んでいる問題は、低運気に発現するのです。
それを活用しないすべはないのです。
ただし占い師だからといって、これらの問題の判断が誰でも出来るのかというと、それは一概には云えません。
これらの判断には「欽天四化」の理論が大いに役立ちます。広く普及している普通の紫微斗数の及ばないところであります。
欽天四化 紫微斗数では、将来ひきこもりを起こすであろうことが、命盤から分かるので鑑定に来られた早い段階で、アドバイスが出来るのです。
これまでも自殺予防活動「静岡県ゲートキーパー」に参加してきましたが、これらの問題にも欽天四化 紫微斗数は適した命術と感じています。
これは、数多くの鑑定データーから導きだした、新しい紫微斗数の活用法です。これからも紫微斗数の新分野に向けて研究を重ねてまいりたいと思います。
さて、本題の「ひきこもり と遷移宮の関係」について触れてみます。
紫微斗数 命盤の「遷移宮」は、その人を取り巻く「環境、周辺、社会」への適応能力を診ることが出来る宮でもあります。
この「遷移宮」の状態で人生を生きて行く段階での状況を観ることができます。
まず、ひきこもりを起こしそうな要因としての条件は「遷移宮」に【化忌】を持つ人は一応、因子は持っていると思ってください。
ただし、他の【化権・化科】の位置によって差異が生じますので、遷移宮の【化忌】が全て悪いと決めつけるのは早計です。
三合派の紫微斗数では「遷移宮の化忌」は最悪の命盤と言われますが、その理由は「生涯に渡って命宮を沖する」という理由ですが、これは理論の説明であって、あまりにも抽象的な表現です。理由についての具体的な研究はされて来ませんでした。
何故、遷移宮の【化忌】が悪いのかは、欽天四化の云う【化忌】の作用を深く理解すれば判ることです。
しかし、遷移宮に【化忌】が有るだけでは大きな脅威がある訳では無いのです。
重要なのは遷移宮に【化忌】があり、さらに遷移宮に「同象自化」や命宮に【自化D】が存在すると要注意です。
ひきこもりには大きく分けて、二つのタイプに分けることが出来ると思います。
一つは、自己否定、自己評価を悪くするタイプです。
このタイプは、外に出るのを恐れて自信喪失しています。才能や素質が優れていても、自己評価を悪くしてしまうために、自分はダメな人間、生きている価値が無い、と思い込む傾向が強く、最悪は自殺願望も出てしまいます。
二つ目のタイプは、自分がこのように最悪になったのは、親のせいだ、世間が悪い、社会が悪い、と思い込むタイプです。
このタイプに観られるのは、やや攻撃的なところです。
原因としては命盤を精査しないと一概には云えませんが、幼少期の家庭環境であったり、学校の環境であったり、社会に出ての周囲の無理解が原因だったりします。
いずれにしても、取り巻く環境に大いに影響を受けているというところです。
では、何故に周囲の影響を強く受けやすいのか?
周囲の影響を受け易い人は「遷移宮」に【化忌】を持つことが多いのです。この条件が備わっていて、他の条件が加わるとひきこもりを起こしやすくなります。
遷移宮の【化忌】は周囲の状況に囚われやすいことを示しているのです。つまり必要以上に過剰に囚われるのです。
遷移宮に【化忌】が有るのは検査データーの数値と思えば分かりやすいです。
病院で血液検査をして、その結果数値と思えば理解しやすいでしょう。
原因はいずれも命盤を観れば判ることが多いのです。
ただ、不思議なのは、命盤は出生時にすぐに作成できるので、生まれ持った因子(因縁)とも云えます。
これは紫微斗数では当たり前の、生まれる前からのシナリオということに成りますが、命盤には原因が現れているので早めの対策を行えば、未然に防いだり、問題を軽くすることが出来ます。
また、遷移宮の【化忌】は最悪と三合派では云いますが、単純に【化忌】が有るだけでは、ひきこもりは起こりません。
欽天四化では【化忌】は獲得の星でもありますから、たとえ「六外宮」でも、自分が獲得するために活用する術が有るのではと思っています。今後の研究課題にしたいと思います。