図書館の本なので、またまた斜め読み

私はこの本のタイトルと日本での発刊のタイミングから
ネオニコチノイドという新しい農薬がハチの大量失踪の原因である
と書かれてあるのかと勘違いして読み始めました。

若干違ってました。
もちろんネオニコチノイドのことも出てきますが・・・・

このタイトルは内容を正確には反映してなくて
原題の「Fruitless fall」~果実のない秋~がやはり正しいと思いました。
レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を読んだことのある方には
このタイトルの意味がよくお分かりになるのではないでしょうか?

アメリカで、いや全世界で起こっている蜂群崩壊症候群
ミツバチの働きバチがすべて失踪してコロニーが全滅する
そのために養蜂家だけでなく虫媒によって受粉が必要な
果物の栽培も持続できなくなってしまう

その原因をあらゆる角度から考察しながら探っていく
ハチを大量に殺すヘギイタダニも有機リン農薬も
ハチを短期的記憶喪失にさせてしまうネオニコチノイドや
携帯基地局の高周波も
すべてが原因であり、しかし原因は一つだけではない

蜂群崩壊症候群をとおして
地球規模の生態系の崩壊に警鐘を鳴らす
科学的な考察とミツバチの生態の文学的な表現が融和した
読み応えのある本でした。

ハチはなぜ大量死したのか (文春文庫)/文藝春秋

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何年も前から読みたいと言いつつまだ読んでいない
メーテルリンクの「蜜蜂の生活」も読まなくちゃ


蜜蜂の生活/工作舎

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読後自分の庭を見渡して
そう去勢された、自力で増えることができない植物を
庭に植えるのをやめよ
ついでに蜜蜂も飼ってみたりもしたいな、なんてね、