実家へ帰る途中の国道沿いに、視力検査のCのマークが並んだボードが三枚もディスプレイしてある古民家風の建物が4~5年前にできていて、通るたびに気になってました。
古民家を改造して開業した眼科なのだろうと始めは思ったのだけれど、その他には病院を思わせるものがなく看板もないので、なんだか不自然なのです。
病院じゃないとしたら、じゃあ他に?と、考えた所で思いもつかないし、勝手に敷地に入って確認することわけにもいかないと、いつか誰かに訊ねてみようとおもっていたのでした。


ひょんなことから、先日そこの中を見せてもらうことになりました。

訪ねてみると、そこはなんと学習塾でした。
しかも、建物全体が、いえ学習塾ソノモノまでがアーティストの作品であり、ギャラリーでもあるという、珍しいものでした。



建物は建具などの一部に古材を使っているものの、基本的には新築で、平屋の瓦葺きで日本の伝統的な工法で建てられたものでした。
中の壁は土壁、外は杉板張り。キッチン部分の床は土間で、土と石灰とにがりを混ぜて叩いた三和土。
明確なイメージと美意識、思想と意図をもった美しい空間でした。


畳敷きの部屋には、4~5人が並んで座れるような横に長い文机が並べてあって、絵で見る寺子屋さながらでした。
子供たちは椅子ではなく座布団に座って勉強するのだそうです。



グッピーat変奏曲-寺子屋


もっと驚いたのはそこの主であるアーティストというのが、高校の同級生のY君だったこと。


まあ三十数年ぶりの再会ということでしたが、私は彼のことを覚えているのに、彼は私のことはまったく記憶にないというので、ちょっとがっかり。
私は、不出来な高校生でちょいと先生といざこざを起こしたりして、そこそこの問題児で有名だったと自負していたから。
私の悪名は、自分で思ってるほど高くなかったようです(笑)