三つ目のアサト

グレープカンパニー所属のキャラバンの難波麻人です。


テーマ:




まだ声の届かない距離で、お互いが気づいてしまった。


これは、僕の苦手なシチュエーションのかなり上位にランクされている。


この状況で身体を大きく使い、「お~い、お~い!」と手を振って駆け寄って行けるのは、来週の対戦相手を偵察する為に駅前で待ち合わせしている、幼なじみでサッカー部のエースを見つけた女子マネージャー位だろう。


しかし僕には、そんな純粋さも可愛らしさも持ち合わせていない。


僕はここでいつも、


『気づいてないかも知れないフリ。』


をする。これは、


『気づいていないフリ。』


とは決定的に違う。

むしろこの状況で、「気づいていないフリ」だけは絶対にしてはいけない。


あからさま過ぎて、それは嘘だろうと簡単にバレるし、見破る側も、見破られる側も痛々しくなってしまう。


ちなみに気づいてないフリの例としては、「携帯でメールをする」や、「道を曲がる」(コンビニに入る)等がある。


つまりは我々人間も本能的には獣同士であり、お互いが存在を認識した瞬間からそこには意識のせめぎ合いが発生していて、逃げ出すような行為は相手も敏感に察知してしまうのである。


ならば「気づいていないかも知れないフリ。」とはどういうものか?


僕はまず、歩きながら大きなあくび一つする。


そして今度は自販機の前で止まり、何を買うか十分に悩んだフリをしてからボタンを押す。


すると相手は、「なんだコイツ?俺の存在に気づいてる筈なのに全く意に介さないでいやがる。
もしかして本当に気づいてないんじゃねぇか?」


という思考になる訳である。


缶コーヒーを手に取ると僕は、意識のセンサーをもう一度広げる。


かなり距離は近くなった、しかし僕の声ではまだ届くかどうか不安な間合いでもある。


僕の声量は常人の3分1程度しか備わっていない。


僕はカバンに財布を仕舞いながら更に歩を進める。


よし、もう大丈夫だ、僕は顔を上げ相手と目を合わせると、

『おはよう!やっぱお前か、向こうから歩いてくんの見えて、そうちゃうかなぁと思っててん!」


今までの流れを壊さない、最高の挨拶で締めくくる。


すると相手も口を開いた、


『僕もずっと見てましたけど、難波さん挙動不審でめっちゃヤバいですね。』
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