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 …先週の『スカーレット』・第23週「揺るぎない強さ」にて、川原武志(伊藤健太郎)が絵本に書いたこの言葉が、随分とあちこちで取り沙汰(賞賛)されている様だ。

 

 「今日が僕の日なら 僕はいつもと変わらない1日を過ごすだろう」

 

 

 「J-CASTテレビウォッチ」では「ネットの声」なんてボカし方をしているが、そんなことは誰でもTwitterの声だなんてわかる。

 

 ただ、それだけではない…仮にも「上智大学教授」なんて肩書きを持つ御仁までが、議論型ニュースサイトに寄稿した記事にまで波及しているのであるから、始末が悪い。

 

 

 一部だがここに、引用しておきたい。

 

 「武志が絵本に書いた『いつもと変わらない一日を過ごしたい』と望むメッセージが今の時期心に響いた。新型コロナの影響で、国民のそれぞれがいつもと変わらない一日が奪われている。そのことがどんなに幸せなのか、武志の真心の思いが身に沁みた。まだ、新型コロナ騒動が起こる前に撮影されたドラマなのに」

 

 「視聴者が閉塞する社会状況を横目にしながら、伊藤健太郎が演じる武志の命がどうなるのか、その恋の行方はどうなっていくのか、ハラハラしながら見守っていくしかない。「あまちゃん」が東日本大震災で傷ついた日本人を励ましたように「スカーレット」も新型コロナで閉塞状況にある日本人を励ますものになるのだろうか。せめてこの閉塞した状況で、「人が生きる」ことの“すがすがしさ”や“美しさ”を伝えるエンディングになってほしい。 」

 

 …絶対出てくると思っていましたよ。この様に新型コロナウイルス禍と結びつけるバカな論調が。

 

 本当にいつもと変わらぬ日常を懐かしまねばならない程に、我々は非日常を送らされているのでしょうか?

 

 確かに景気の減速や音楽を始めとするイベント中心の業界、外食産業に宿泊業への打撃、これらと無関係の業界もテレワークの推奨や小中学校の臨時休校…これでもいまが「いつもと変わらない日常」だ、なんて断言したい訳ではない。

 

 だからと言って、毎朝欠かさず朝ドラを見逃さない位に余裕を持つ人々が、ドヤ顔でこんなことを声を大にして言うのはあまりに可笑しくないかと思う。

 

 

 言っておくが流言・風説に惑わされてマスクが買えない、消毒グッズが買えない、トイレットペーパーが買えないなんてのは、いつもと少々違うながらも「非日常」ではない。日用品が買えない程度であたかも災害の如く言い切るのは、あまりに鼻息が荒過ぎるだろう。

 

 なぜかと言うとこれらは全て、「いつもと変わらない1日を過ごす」人達が巻き起こしたモノなのだから。

 

 

 さて、そんな「いつもと変わらない1日を」過ごしたい人間模様の『スカーレット』だが、残9話の中で白血病と闘い続けねばならない哀れな川原武志(伊藤健太郎)をよそに、いかにも朝ドラな世界が粛々と繰り広げられている様に観られるのは、私が朝の慌しい「日常」のなかで観ているせいなのであろうか。

 

 

 

 ネタバレなど極力目にしたくはなかったが再三ここでも触れた通りで、『スカーレット』が『火火』との比較抜きで評価されることなど、未来永劫まで絶対にありえないのだ。

 

 そんなこともわからない様な、盆暗なNHK朝ドラ制作陣ではあるまい。

 

 最早視聴者の関心は、いつ武志が急性骨髄性白血病に転移するか…ここに移りつつある。

 

 当然だと思う。残った話数で脚本・水橋文美江がいうところの「覚悟を決めた内容」を展開するには、素人目で見ても尺が足りないと思うのがごく普通の感覚だろうから。

 

 …だが最終週『炎は消えない』に向けて、目に付くキーワードといえば…。

 

 「スッポン」、 「ドライブ」、 「みんなの陶芸展」、 「琵琶湖」、 「海ちゃうで。湖や。」、 「月日は流れて」 …。

 

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 人は、終生身の丈にあった生き方しか出来ないのだという。これをドラマに置き換えるのならば、用意された尺の中でしかストーリーを展開できない、ということだ。脚本家の器以上のドラマは、決して制作されることはない、とも言える。

 

 私は過去記事にて、こう発言した。

 

 「ここを喜美子が自然釉で成功を収めた7年スキップなんて手法で表現しようとは、よもや思ってなどいないだろう。」

 

 また、一連の『スカーレット』に触れた記事の最初の一文に、私は迷うことなくこう書いた。

 

 「NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『スカーレット』は今、最悪の展開を迎えている。」、と。

 

 

 水橋文美江がいうところの「覚悟を決めた内容」…今の段階ではこれがいったいどこにあるのか、残念なことに全くわからない。絶望の闇はよりいっそう深くなるばかり、である。

 

 

(つづく)

 

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