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 『麒麟がくる』第3回は、前回ネットを中心に爆発的な好評価を呼んだ本木雅弘の斎藤利政(道三)、川口春奈の帰蝶(濃姫)らに続き、土岐頼芸に扮する尾美としのり、南果歩の深芳野(利政側室)、そして伊吹吾郎の太原雪斎、片岡愛之助の今川義元も、最後にチラッとだけだが今回初登場する。

 

 

 第3回「美濃の国」の柱となるエピソードは、大きく分けると全部で4つ。

 

 1) (最初の)夫・土岐頼純(矢野聖人)を父・斎藤利政に毒殺された帰蝶が、明智荘までわざわざやって来ること。そしてそこに居合わせた駒(門脇麦)が、美濃の昔話と自分を火事から救い出した武士がしていた話が一緒であり、その武士が美濃の者であることがほぼ間違いないこと。

 

 2) 頼純毒殺で守護職を空位にしてしまった利政が、子の高政(伊藤英明)を伴い土岐頼芸に、再度守護職に就く様要請する(美濃国衆を力づくで押さえてきた利政に、国衆が非協力的で美濃国内の行政が円滑に進まなかった為)。

 

 3) 2)で高政が土岐頼芸から、高政が深芳野と自分の子である可能性を唆され、高政は実父・利政への造反を考え始めたこと。また、これを母・深芳野に問い質す(『国盗り物語』にも同様の描写があった)が、否定される。しかし高政は、十兵衛光秀(長谷川博己)にこの野望を打ち明ける。

 

 4) 2)で織田家と共謀して美濃を斎藤氏から奪回することを諦めない土岐頼芸は、織田信秀(高橋克典)に文を送り、再度の挙兵を促す。これを積極的に進めんとす信秀の許に、今川義元(片岡愛之助)の尾張侵攻の知らせが届く。

 

 

 モックンの利政に焦点を絞った第2回・「道三の罠」と比較すると、初回程では無いにせよ、どうも統一感という面で安定していなかった様に思う。理由は、レギュラー扱いだから仕方がない面もあるのだが、帰蝶がさしたる必然性のある局面でもないのに尺を取っていること。これに加え、土岐頼芸、深芳野、高政、信秀、今川義元…と目まぐるしく焦点が移動したことも理由として挙げても良いかと思う。複数回に分けて細切れにして語るのは勿体無い位に、どの登場人物も深掘りする程に興味深いエピソードが湧いてくるのだから、第2回同様に1話なり前・後半なりを使って、ジックリと描写した方が寧ろ視聴者の関心を持続出来るのではなかろうか。

 

 それと…既にネット上では同じ意見が増え始めているが、市川海老蔵の語りが思った程イケていない。多少は抑揚を効かせて、ある程度大袈裟な位が丁度いい位に収まる時代を描いているのだから(『真田丸』での有働由美子アナを思い起こせば良い)、海老蔵の語りはやや「抑揚」ではなく「抑制」が効き過ぎている様に思われる。

 

 脚本面に関していうと、これまでは斎藤利政(道三)に唆された暗愚な守護として描かれ続けてきた土岐頼芸が、よもや後の高政(義龍)による父・道三への義絶→謀反の末の長良川の戦いでの道三殺害の火種になるという意外な切り口には、結構感心させられた。以前『いだてん』と宮藤官九郎について触れた際の繰り返しだが、大河ドラマの脚本というのは、単なる事実の羅列だけでは決して良い作品が生まれることはない。歴史小説でも同じことで、何故司馬遼太郎や新田次郎、海音寺潮五郎の作品が必要とされるのか、その理由がまさにここにある訳だから。

 

 結局森下佳子中園ミホも、そのことを理解していなかったばかりかその力量が無いことを露呈し、大河をキッカケに自身の評価を著しく落とした。今回、この展開を目の当たりにして改めて悟ったことは…やはり今のこの段階においては、大河ドラマの脚本を書くことの出来る脚本家は実に稀少であるということ、そしてその数少ない資格を持つ書き手に、池端俊策は含まれているということ(賛否両論あるであろうが、三谷幸喜も確実にそのひとりだ…)、最後に来年の『青天を衝け』の脚本を手掛ける大森美香では、やはり不安は尽きないということ…であろうか。

 

 連続テレビ小説(朝ドラ)の脚本は書けても、大河ドラマの脚本は書けない脚本家はまだまだ多い。

 

 既にそのことは、ここ数年で証明されてしまっているではないか。

 

 

『池袋ウエストゲートパーク』 2000年4月14日~6月23日 金曜日21:00~21:5(初回放送) TBS
原作:石田衣良 脚本:宮藤官九郎 監督:堤幸彦 プロデューサー:磯山晶
オープニング:Sads「忘却の空」

 
出演:
長瀬智也、窪塚洋介、渡辺謙、山下智久、佐藤隆太、阿部サダヲ、加藤あい、妻夫木聡、高橋一生、坂口憲二、古田新太、西島千博、須藤公一、矢沢心、小雪、きたろう、森下愛子、小栗旬 他