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 第1回の散漫さが大きく後退し、まるで贅肉が引き締まったかのような印象を覚える第2回は、ほぼ斎藤利政こと道三が実質的主人公ともいうべき回であった。と同時に、この回こそが本来のストーリーの開始地点といっても良い程、描写が美しい上にグッと密度も濃くなった。

 

 今回の「道三の罠」を振り返る前提として、まず2つの事項を押さえておく必要がある。

 

 1) 最新の学説に準じ、斎藤道三の「国盗り物語」は道三父・松波庄五郎(または西村勘九郎、長井新左衛門尉)と道三の親子2代で達成されていること。
 2) 道三娘・帰蝶こと濃姫は織田信長に嫁ぐ以前に、美濃守護職である土岐頼純(土岐頼芸の甥)の正室であったこと。

 

 

 特に2)に関しては背景が複雑で、当時(1541~1544年、つまり天文10年~13年頃)、斎藤道三は知られている通り土岐頼芸を放逐し美濃国主となった。しかし尾張の織田信秀は頼芸を援助し、また母方が越前の朝倉氏であった土岐頼芸も、朝倉孝景の支援を受けてそれぞれが美濃の南と西から攻め入った。

 

 道三としては双方と和睦を考えざるを得ず、いったんは信秀の嫡男・吉法師丸(のちの信長)帰蝶の輿入れを約束したものの、朝倉孝景に対しては土岐頼芸が頼純に守護職を譲る条件で、新たに和睦の証として、これに相応しい人質を差し出す必要に迫られた道三は、帰蝶を頼純に差し出さねばならなくなった。体裁としては正室であっても、実質上は人質である。

 

 織田との縁組はこのように一時見送りとなったが、今回の「道三の罠」にて描かれた「加納口の戦い」における織田・斎藤の合戦での織田の大敗の結果、土岐頼純は死亡(戦死説があるが、今回放送分の『麒麟がくる』脚本では道三による毒殺説を採用)、かくして再び斎藤家に戻ってきた帰蝶は、改めて織田との和睦の証として、信長に嫁いだ…という訳である。

 

 なお、『麒麟がくる』における土岐頼純の配役は矢野聖人、今回登場しないが土岐頼芸に扮するのは尾美としのり、そして朝倉孝景・義景親子に関しては…これは登場するか否かも不明である。

 

 

 とにかく今回の「道三の罠」に関しては、道三こと斎藤利政の卓越した軍師振りが最大の見もので、大河常連・本木雅弘がたっぷりと役作りして演じてくれている。


のみならず最後の方は、既述の通り土岐頼純を躊躇うことなくアッサリ毒殺する無慈悲振りで、その姿はまるで戦国が生んだ「妖獣」である。つまりは「麒麟」と正反対の立ち位置という訳だ。

 

 最新の時代考証も可能な限り取り入れられていて、合戦のシーンは非常にリアリティが籠っていて好ましい。

 

 この分だと来週以降の展開も、それ相応に期待出来るハズである。

 

 

 

 

 

  末筆になるが、視聴率面で言うと初回の19.1%は、昨年来の怨敵である『ポツンと一軒家』や長年の宿敵である『イッテQ』を向こうに回しての、同時間帯視聴率首位であった(20:00~、地上波時間帯相当)。

 

 そして本日1月26日、『一軒家』は放送されない。意外と「大河ドラマ復権」は手の届く位置にあるのかも知れない。

 

※ あらすじ

 

 第2回「道三の罠」では、川口春奈演じる帰蝶高橋克典演じる織田信秀の出演場面が大幅に増える。

 

 望月東庵(堺正章)、駒(門脇麦)を伴い美濃に帰国した明智十兵衛光秀(長谷川博己)が急ぎ稲葉山城に駆けつけると、既に戦支度を済ませた光安(西村まさ彦)が苦々しい表情で待ち構えていた。織田の軍勢は2万、自軍は僅か4千だというのだ。

 

 光秀は斎藤利政(本木雅弘)に帰国の挨拶を済ます。利政は信秀のことなら何でも知っている、戦は数ではないと豪語し、鉄砲を受け取ると、旅の費用を半分返せといい、今回の戦で侍大将の首をふたつ取れば、借金を帳消しにしてやると言う。

 

 利政と小見の方(片岡京子)の娘で、いまは守護・土岐頼純(矢野聖人)に嫁いでいる帰蝶から医者の礼を言われる。光秀は帰蝶に一礼し、すぐに出陣した。

 

 織田の軍勢は稲葉山城城下に押し寄せてきた。

 

 光秀は槍を携え突き進むが、すぐに退き鉦(退却の合図)が打ち鳴らされる。

 

 稲葉山城内は引き返してきた兵・領民でごった返す。外門は次々と閉じられていく。

 

 館の横手の庭では、東庵の指揮で城下の医者や僧たちが戦傷者の手当てに当たっていた。

 

 織田信秀は稲葉山城を攻めるが、容易には落ちない。やがて日が暮れ、稲葉山城内では武装したまま酒盛りが始まる。その中央に座する利政。しかし…盃の中身は実は水であった。城内に多数存在しているであろう乱波(忍び、つまりスパイ)を騙すための利政の計略なのだ。

 

 織田軍は木曽川の本陣に引き上げる。

 

 利政は城門を開き、一斉に軍勢を解き放ち、織田軍に追い打ちをかけるのであった…。