【前回までの闘病記】

術後一ヶ月の胃カメラ検診で、1㎝弱のできものが見つかった。


これまで常にポジティブに考えていた自分が徐々にネガティブに考えるようになる。


辛い治療に耐えた後だからこそ、恐怖が襲っていた。


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検診1週間後、検査結果を聞きに1人車を運転して病院へ向かった。


車内は無音。


音楽を聴く余裕もなかった。


考えるのをやめようと決心したのに、出来ない。


『またガンだったらどうしよう。』


そうなったら数ヶ月前の血のにじむような治療が再び繰り返すことになる。


考えるだけで頭がおかしくなりそうだった。


病院に着いて1時間経過した所で、先生に呼ばれた。



先生の前に座り、無言で向かい合う。



『レザボア君、言ったとおり問題なかったよ!


僕もひやっとしたけどね。』



ほっとしたというより、腰が砕けそうになるくらい力が抜けた。



『本当によかった!』



この一言しか出てこなかった。



いつも先生の専属でサポートされている看護師さんから聞いた話だが、


『比較するのはおかしいかもしれないけど、先生はレザボアさんが今一番心配みたい。


あの状態からここまできて、絶対に再発させたくない。って思ってるよ。』


みんなに守られていることを改めて実感し、死ぬほど嬉しかった。



帰りの車の中で、改めて自分なぜガンになったのかを考えた。



なにか意味のあるような気がして。



闘病中にもずっと考えていたことだけど、自分がこれからなにをすべきか。



その答えが明確になった。



それは小さくても元気になれるようなcafeをやろう!



その理由は2つ。


1つめは、自分と同じような境遇の方へ少しでも希望を与えられるような場所を作りたい。


以前ブログでも書いたが、ガンで復活して元気に活躍している人たちの話が少なすぎると感じた。


僕が闘病中に一番聞きたかった事は、


同じような状態から復活した人はいるのかどうか。


自分が治る、そして社会復帰するイメージができるのと出来ないのでは


全く違うはず。


少ないなら自分が作ればいい。



2つめは食で苦労した分、食の大事さ・楽しさを伝えたい。


1年間全く食事が出来ず、当たり前の事が出来なくなった事が本当に辛く、


そしてがんという病気は食事のあり方も大きな影響を与える事を知った。


自分の経験からほんのちょっとでも感じて頂けたら幸せだなって。


沢山お店がある中で、僕のような小さな人間が出来るかはわからない。


でも思考が物体化すると信じている。


これまで自分中心で考えてきた人間が、



初めて誰かの為に。



って思えた瞬間だった。



その目標が見えた時、自分の人生に一筋の光が見えた。



ガンになった理由は、この事だったのかもしれない。



やれるとこまでやってみよう!



そう強く決心した。