サウナの中で、
キョロキョロこちらを見て来る人が居て、
「さとうみつろうさんですか?」
って来るかと構えていたら、
「あのー、ニホンジンデスカ?」
と片言の日本語。
「わたーしはー、ちゅーごくーから来ました」
「そうなんですねー、日本語がお上手ですね」
「わたーしはー、日本がスキなんです。
すきー、だからー、頑張りました」
スッゲー見るからに良い人オーラが出てる。
純朴そうで。
中国人にも、こういうタイプが居るんだーと驚く。
というか、「中国人はみんなズケズケしてる」と思っている自分にも驚くけど、
彼を見ていたら、ネットって本当に片寄ってるなーと思った。
だって、
「わたーしはー、日本がスキなんです」
って言ってる。
だよな。
反日教育しているとかTVやネットが脅すけど、
別に「日本がスキな中国人」も居るはずやわな。
最近では、
「外国人が来ることに反対」の極右くらいで「ド真ん中」で、
「外国人労働者大賛成」の極左なんて、超マイノリティ。
でも、そういったSNSの情報じゃなくて、
1人の中国人(たぶん、この人の名前はイーさん)を目の前にすると、
とっても良い人が居たもんだ。
こういう「ご縁」を大事にしたい。
大事にしたいんだけど、
俺は先に入っていてもう「10分」が経過している。
イーさんは、まだ入って来て1分だからウキウキだろうけど、
こっちは、もうすぐ12分の砂時計が切れるタイミングなのだ。
お前の1分と俺の1分は、
価値が違うのだ。
「わたーしはー」
「ここーにくる前に―」
えーっと、あのー
そのー
「だからー、ここーにくるまえにー」
あのー、そのー
お前の「そのー」1回分で、
俺の身体の水分は10デシリットル消失してることに気づけよ。
てか、日本語勉強する前に
サウナの危険性を中国語版で良いから勉強しとけよな。
ただ、めちゃくちゃ「純朴」そうで「素朴」で、
ほんとうううううに良い人って感じの顔で。
今まで中国人に対して持っていた先入観ゼンブぶっ飛ぶくらい、謙虚で・・・。
「ここ(別府)にー、くるまえにー、東京から来ましたー」
「なるほど、東京に寄って、大分に観光に来てるんですね。
それにしても、日本語がお上手ですね」
「それはー、にほんがー、すー、すー」
「日本がスキだから、上達したんですもんね!」
たぶん、彼から観たら日本人はみんなせっかちに見えるだろう。
「日本人は、話しを最後まで聴かない」
と思い始めてるかもしれない。
でも、仕方ない。
背に腹は代えられない。
さっきから、イーさんの話しを聴きながら、
頭はもう「冷水に飛び込んでる自分」しか想像してない。
「中国のどこから来たんですか?」
って聞いたけど、
その答えも、
「冷たい泉から来ました」
ってしか聞こえてない。
なんか、知らない中国の地名を言ってたけど、
そこは「冷たい泉が有名な場所」だとしか認識してない。
そして、イーさんが、
どうして今回日本に来たのかを話し始めた瞬間に、
「ソーリ、アイムジャスタ、タイム。
アイワナのーゆー、ばっと、あいはぶのーたいむ」
って言って、飛び出して行ってバッシャーンと、中国の冷泉に飛び込む。
その後、イーさんが出てくる頃には更衣室に居て、
イーさんの前で大はしゃぎして、冷泉でバタ足している日本人のガキを見て、
どっちが中国人で、どっちが日本人ってのは、偏見だなーと思いました。
中国人イーさん、日本人ガキのバタ足で、困ってたもんでね。
「外人が増えたら、犯罪は増える」
これも、1つの偏見だと叫ばれている。
そうかもしれない。
とりあえず、中国人がみんなイーサンくらい謙虚だったらなー
と思った別府の夜でした。
さようなら。
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さとうみつろう
日本の作家・ミュージシャン。高校生の長男コクトウ君と、中学生の長女ザラメちゃん、5才になった次女ミリンちゃんの3児のパパ。石垣島で生まれ中学は大分県、大学は北海道。社会を変えるためには「1人1人の意識の変革」が必要だと痛感し、大手エネルギー企業から独立。本の執筆や楽曲の発表を本格化し、初の著書がシリーズ累計30万部のメガヒットを記録。10代の若者を中心に多くの支持を集める。ところ…
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