本日のテーマは、網膜剥離(もうまくはくり)です。
以前、目の血管系の病気で網膜動脈閉そく症という場合によっては発症から半日で目が見えなくなってしまう恐ろしい病気を紹介しました![]()
今回は、誰しも聞いたことのある、しかし意外と知らないお話もできたらと思います。
一般的な話、網膜剥離とはどんな病気でしょうか?
ボクサーがパンチを受けてなるアレでしょ?そんなイメージもあるかもしれません。
しかし実際のところは加齢や目の構造の問題、合併症(他の病気が原因)に伴う網膜剥離がかなり多く存在します。
症状として、一番最初に起こる変化は光が走るように見えるという人が多いです。その後に虫やゴミが動いて見える飛蚊症という症状がでます。この段階で眼科に検査を受けに来る人が多いかと思いますが、網膜剥離は起こっていない人がほとんどです。
目に問題がなくても飛蚊症が全くなくなることはなく、気にならなくなる人が多いです。しかしふとした瞬間に見えるな、と感じることはあると思います。
この後の症状の悪化としては、部分的な見えづらさや歪みを感じてきます。ここまで症状の悪化があればすぐに眼科にかかってください![]()
手術が必要になる場合が多くありますのでその可能性を持って診察を受けて下さい。
そんな網膜剥離の起こる発生機序やタイプなどもご紹介していきましょう![]()
網膜剥離が何かを説明します。
以前、網膜①にて説明した中に眼球が強膜、脈絡膜、網膜の3つの膜でできているという話がありました。
網膜剥離は、何かの原因で脈絡膜と網膜の間に隙間がが出来て剝がれてしまう状態を言います。
剥離した部分は手術やレーザー治療によって元通りに治ることもありますが、歪みや見えづらさなどの後遺症を残すことが多くあります。
剥がれないで欲しいですが、、、一度剥がれていくと自然には止められないことがほとんどです。
それ故の緊急疾患なのです。
さて、続いて網膜剥離が起こる原因です。
・裂孔原性網膜剥離
網膜に裂孔(穴)ができてしまい、その穴から目の中を満たしている水が入り込んで徐々に剥がれてしまう網膜剥離のことを言います。
基本的に、軽度(穴が開いたばかり)であればレーザー治療、重度(穴から網膜剥離が進む)であれば手術などの外科的治療になります。
主に次の原因によります。
ⅰ年齢の変化
目の内側から網膜を引っ張る力が働く時期があり、その時に網膜が耐え切れなくなると破けてしまいます。
眼科学第二版より抜粋
写真右側に弁状(馬蹄型)裂孔とそれに伴って網膜剥離が起きている
詳しく説明します。
目の中には硝子体(しょうしたい)という無色透明のゼリー状の組織が袋の中に入っていて、網膜はその硝子体の袋の表面と接しています。年とともに硝子体は少しずつサラサラした液体に変化し、ゼリー状の液体の中に空洞ができて容積が減っていきます。
硝子体の液化が進行すると、硝子体と網膜が離れてすき間ができます。これは60歳前後に多くみられ、後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり)といい、加齢変化による生理的なものです![]()
しかし後部硝子体剥離が生じる際に、硝子体と網膜が強く癒着(ゆちゃく)している場合、または、網膜が弱くなっている場合には、収縮する硝子体に引っ張られるかたちで網膜が引き裂かれ、亀裂や穴、つまり網膜裂孔ができることがあります。
ⅱ近視
近視が強くなると網膜剥離になるリスクは10~20倍と言われています。
理由としては、近視の目は基本的に網膜が引き伸ばされて薄くなっていきます。そこで格子状変性部位(弱い網膜)に刺激が与えられると破れてしまうこともあり、若年性の網膜剥離の原因となります。
近視の強さによっては多発裂孔といって沢山の穴が開いてしまうこともあります。
現代の眼科学より抜粋
写真の中央に複数の円孔があり、年齢の変化の時と穴の開き方が異なる
進行はゆっくりのことが多いですが、穴の場所によって剝がれやすさが異なります。運動などの体の動きによって進行が早まることがあります。
ⅲ外傷
一番有名なやつかもしれないですが、目に強い衝撃を受けると角膜、網膜、視神経、眼窩(目の周りの骨と目の筋肉)に障害が起こる場合があります。
外傷による網膜の障害にもいくつかありますが、外傷性網膜剥離は進行が早い場合もあり、緊急手術を余儀なくされることもあります。
問題がなくても一時的な飛蚊症が起こることはありますが、1wくらいの間たまに左右で見え方を確認して歪みや見えづらい部分がないか確認すると良いです。
・牽引性網膜剥離
糖尿病網膜症等による目の中の変化によって、正常では存在しない増殖膜(ぞうしょくまく)という膜が網膜を引っ張り、網膜が耐え切れず破けてしまうことでおこる網膜剥離です。
重度の糖尿病の目は出血なども多くお起こしていることが多いので、出血に伴って網膜を破いてしまうこともあり、大変な手術になる場合もあります。
眼科診療プラクティスより抜粋
糖尿病網膜症はかなり進行してからじゃないと異変に気付かないことがほとんどです。
例えば、糖尿病により白内障が進行して視力が出づらくなったり、硝子体出血によって全く見えなくなったり、目の合併症で目の中心部分にあたる黄斑部の出血が起こったり、見えづらい=重症になっていないかぎり異常に気づけないものです。
内科から紹介されて眼科受診することで見つかるものですので他科との連携が重要になります。
・滲出性網膜剥離
Vogt-小柳-原田病や網膜芽細胞腫などのぶどう膜炎や、年齢の変化や近視が原因で起こる黄斑変性症という病気がありますが、これに伴い網膜と脈絡膜の間に出血や漿液(水)が溜まり剥離することを言います。
ぶどう膜炎は大学病院などで原因精査することがほとんどですがこれまで挙げた網膜剥離とは異なり、ステロイドなどの投薬や硝子体注射などで治療することが多いです。
長期的な経過観察が必要で、長い付き合いになることが多いです。
他の網膜剥離と異なる性質がありますが放置すると失明する可能性があるのは同じです。
長くなりましたが、様々な網膜剥離についてお話ししました。
先にも述べましたが、飛蚊症のほとんどは問題がなく、また症状が完全になくなることは多くはありません。
しかし緊急の病気は初動が大事で、見え方の急な変化は危険なこともあります。飛蚊症も少量が「見えるな」くらいなら問題でないことが多いですが、急に邪魔になる程多量のものが見える場合は注意が必要です。
当院でも飛蚊症の検査は出来ます。目薬の検査がになりますが、検査後、4〜5時間の間は見えづらくなりますので車の運転はしないで来院して下さい。
網膜剝離等が見つかった場合は適切な医療機関に紹介状を書きます。
目の検診は、平塚市、満川眼科医院へ。
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