「生命」について描かれてきたこのシリーズも最終巻となりました。たくさん考える事ができて学びの場となりました。自分の知っていることは本当に極々狭い範囲のことなんだと思いました。


第58,59話 二人目不妊

✖︎華さんの同級生が赤ちゃんがどうしても欲しいと言ってクリニックに。まだ18歳の彼女がどうして?と。理由は自分の経験(周りに言われるままに中絶したこと)から出した結論、「自分の人生は自分で選択する」でした。そんな彼女がある方法で妊娠。二人目不妊で悩んでいた夫婦に教えるのですが…夫婦が本当に得たものは何だったのでしょうか。


第60話 特別編 娘について

✖︎華さんのお嬢さんについての回想でした。血の繋がらない娘さんと葛藤のなかでどう接して来たか。その彼女が結婚することになり両家の顔合わせで「母の✖︎華です」と紹介されて感じたこと。✖︎華さんの思いが溢れた特別編でした。


第61話 特別編 コロナ禍の妊婦

✖︎華さんの読者さんとのやりとりでした。中絶しようと思っていたけど、『透明なゆりかご』を読んで「絶対に産む」と決心した女性の話でした。


第62話 育児放棄

✖︎華さんが働くクリニックにかって出産した女性の娘が弟の具合が悪いと言って連れて来ました。母親は仕事から帰ってこない。弟は母親が突然連れて帰って世話を頼まれたと話し、ただならぬ気配を感じ取ったスタッフは各所に連絡をとります。引きこもり生活をしていた彼女の母親は自分が妊娠したことも知らずに来院。そのまま出産となりましたが激怒した父親から家を追い出されてしまい、何とか自立しようとしましたが上手くいかずクリニックとも疎遠に。それが14年の時を経て再びの来院…

弟は自分を妊娠させた男の息子でした。偶然見かけて…幸せそうな相手を見て、つい…警察の取り調べで彼女は「全てが憎い、娘すらも憎い…」と。孤独と生活苦に蝕まれてしまいました…でも、子どもは母親を待ってるんです。私もそんな場面を何度か見ました。はたからみると信じられないけど、子どもにとってはそれほど大きい存在。すべてと言ってもいい。それが大人になるに連れて離れていく。だからこそ、この時代の親子関係は大事だと思います。


第63話 小さなお弁当箱

今は「パパ活」と言葉を変えていますが、✖︎華さんが高校生の頃は「援助交際」、「援交」と呼ばれていました。真面目だと思っていた友人が援交を始めた聞いて驚く✖︎華さん。今では殆どが保健室登校。小さなお弁当箱と思っていたらどれだけ!と思うほど食べてしまう。✖︎華さんは妊娠には気をつけてと言いますが…妊娠したみたいと。

クリニックに来た彼女を診て、先生から「摂食障害」と。何年も吐き続けないとああいう歯にはならないよと教えられた✖︎華さん。彼女に話しを聞くと、援交を始めた理由は両親からのDVでした。家を出たくて援交していたと。お金が貯まるとホッとすると話すのでした。


第64話 命に寄り添う

生まれてこれなかった命は「かわいそう」だと思っていた✖︎華さん。でも、本当に?と思い始めます。生まれても辛いだけの人生もある。幸せになれる命ばかりではないのだから…そう考えていた✖︎華さん。ある女の子のことを思い出しました。

彼女は背が高くて綺麗でお人形のようでした。クラスの子も最初は話しかけていましたが、遅刻や休みの多い彼女とはそのうち距離ができてしまいました。✖︎華さんはそんな彼女と仲良くなりましたが…家(マンションの高層階)に遊びに行ったとき彼女は、今から飛ぶから見ててと手すりに手をかけながら、母親から毎日のように「いなくなれ、いなくなれ、産まなきゃよかった、お金がなかったからしかたなかった」と言われてるから。一人じゃ怖いけど✖︎華ちゃんがいるからできるかもという彼女を必死で止めた✖︎華さんでした。彼女の「死にたい」という気持ちに触れて心配でたまらない✖︎華さんでしたが、彼女はまた転校してしまいました。その理由を後で知った✖︎華さんは、生きるって何だろうと考えるのでした。

やがて受験のためにクリニックを辞めた✖︎にさん。退職の際には夢を語っていたけど…現実は厳しくて看護師の道を諦めました。


漫画家になった✖︎華さんに彼女(↑)から連絡があり、一児の母となった彼女と会って話しを聞くと…彼女は母親と同じような人生を送っていました。まだ母親から抜け出せていないと話します。そして、あのとき止めてくれて嬉しかったと話し、自分を大事にしてくれた人は初めて、と。

✖︎華さんは、彼女と会ってあらためて「命に寄り添う」とは?を考えました。そして生まれたのが『透明なゆりかご』でした。「輝く生命」と「透明な命」、その重さはどちらも同じ…







世界が平和でありますように…

コロナとインフルエンザに気をつけて😷