久しぶりの瀬尾まいこさんです。短編集となっています。文庫本で解説が「池上冬樹」さん。未読の方には先に解説を読んでみてください、とおすすめしたくなりました。


「瀬尾まいこワールドへようこそ」、そう言いたくなる1冊でした。


『優しい音楽』

表題作になります。駅でいきなり毎日見つめられて、気味悪くなって理由を尋ねたら、「顔が見たかった」って。わけがわからない。だけど…なんだかんだと言葉をかわし、付き合うように。そこにはある秘密が…というお話しです。

「いつも千波ちゃんは僕が家に行くことをとても嫌がる」


『タイムラグ』

不倫相手の子どもを世話するはめになった女性のお話しです。そこから見えていなかった相手のことがわかってきて…タイムラグの意味がわかるとせつないですが…

「まったくもって私は都合のいい女なのだ」


『がらくた効果』

同棲生活も長くなって、なぁなぁになってしまっていたものが一人のホームレス男性との同居で変わっていく、というお話しです。

「拾ってきちゃった」



最後の「」の1文は出だしです。瀬尾まいこさんの魅力の一つは「書き出し」と(池上冬樹さん)あったので。確かに作品全体が見事に表現されています。ちょっと前の作品となりますが読んでみてください。

こういう作品を書かれる瀬尾まいこさんのお嬢さんのお話しがとっても楽しいのでエッセイもおすすめしておきます。「私はアリエルよ」って。願いが叶うといいね、ってなります。


(私が読んだのはハードカバーでしたが、多分文庫本のほうが面白いかな?)



世界が平和でありますように…

コロナと熱中症に気をつけて…




〈推し活〉