１９７０年代の事件
◎我慢にも限度がある！
社会人になった時、
言われたことがある。
我慢するのも給料の内だ。
そう…仕事とは
我慢をすること！
時間を拘束され、
上司には嫌味を言われ、
ノルマに追われ、
更にはお客からは文句を言われる。
今の世の中では
カスハラなどと言われる。
つまりカスタマーハラスメント。
顧客による不当な要求が
店側などを困らせているのだ。
お客様は神様です。
とはいうものの…
迷惑しかかけない神様は
疫病神としか言いようがない。
そういう諸々を我慢して
給料を貰っているのだ。
しかぁーし！
それではストレスが溜まる。
いくら仕事とはいえ、
何でも我慢できるものではない。
そう…何を言われても…
我慢しなければならないというものではない。
そんなこと言ったら
お客様に”死ね”と言われたら
死ななければならない！
そんな訳がない！
つまり物事には限度があるのだ。
我慢をしろと言われても
我慢できなこともある。
そういうお話！
1960年6月23日の新聞に以下の記事が載った。
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警官も人の子
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日夜、治安を守る警察官
暑い日も寒い日も
国民の安全のために努力する
それが警察官だ。
そんな警察官が…
座り込みをした。
当時のアメリカ大統領
アイゼンハワーの訪問を前に
当時は学生運動が盛んだった。
それ故に毎日対策に駆り出され、
6月の蒸し暑さもあって疲労していた。
そこにもって警備をしていた警察官が
議員に殴られるという事件が発生。
そこで怒った一部の警察官は
抗議のため座り込みを行った。
警察官は上層部の意見を無視し、
制止を振り切って議会前まで行き、
そこで約3時間座り込みを行った。
うーむ！
確かに蒸し暑い最中、
連日警備をしていながら、
なおかつ殴られたらムカつくだろう。
それは我慢の限界だわ！
警察官の座り込みとは珍しいが、
なおかつ賛成するわけではないが、
気持ちはわからんでもない。
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警官 ムカつくよ
警官 我慢の限界だわ
警官 だってこの梅雨の蒸し暑い日々の中
警官 警備のために動員されて
警官 連日連夜配置され、
警官 疲労もピークになっている。
警官 中には地方から動員されている奴も多く
警官 ずっと宿舎住まい
警官 だから疲労も取れずに
警官 蓄積するばかり
警官 大体、アイゼンハワーだとかの
警官 アメリカ大統領の警備なんて
警官 こっちは興味がない
警官 あんな老人どうなってもいい。
警官 俺には関係ないわ！
警官 大体、学生運動の連中も
警官 いちいち大騒ぎするから
警官 こっちにトバッチリが来る
警官 ああでもないこうでもないって
警官 大騒ぎしやがって
警官 ふざけんな！
警官 まあそれはまだいい
警官 俺たちの通常の仕事の範囲
警官 そう考えられなくもない。
警官 でも…ね！
警官 議員に殴られた！
警官 これは我慢できない
警官 我慢の限界を超えた
警官 どうしてくれようぞ
警官 ・・・・・・・・・！
警官 よしっ、座り込みだ。
警官 いつもは座り込みを排除する側だが、
警官 今度はこっちが座り込みをしてやる。
警官 議会前で座り込みをやれば、
警官 学生どもも座り込めないし、
警官 一石二鳥だ！
警官 警官は座り込んではいけない
警官 そういう法律がないなら
警官 座り込んでもイイはず。
警官 じゃ、座り込むか！
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とは全く言ってないが、
そんな感じで座り込んだようだ。
まあ60年頃の警察官は大変だっただろう。
左翼も活発だったしな！
◎隣の国での出来事！
ところでこのような警察官の座り込みだが、
全く支持されてなかった。
むしろ国民からは…
ふざけるな！
と思われていた。
そのため座り込みも
たった3時間で終了せざるを得なかった。
それはどうしてか？
それはこの警察官たちが…
韓国人だったからだ！
？？？？？？？？？？
どういうことか？
これは日本での話ではない。
韓国で起きた話だ。
時は1960年6月
この時期の韓国は
独裁者の李承晩大統領が失脚し、
民主的な体制になっていた。
それ故に独裁政権を支えていた警察に対して
国民の対応は厳しかった。
お前らはこれまで
国民を弾圧した側だろ！
と…いう訳だ。
更に問題なのは
元々彼らは安月給でやっていた。
そのためなのかは不明だが、
独裁政権時代は
賄賂が横行していた。
警察は飲食店等の許認可権を持っていた。
それ等を使って、
色々ピンハネしていたのだ。
それ故に国民からのイメージは最悪だった。
そんな奴等が座り込みをやった。
同情される訳などなかったのだ。
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警官 ツライ
警官 ツラ過ぎる
警官 これまで社会の治安維持のため
警官 汗水たらして働いてきた。
警官 それなのに…
警官 世間の目はキツイ
警官 どうしてだ？
警官 確かに独裁政権の時は…
警官 やり過ぎた
警官 独裁政権を支えるため
警官 国民を弾圧して回った
警官 いつもカービン銃を携帯し、
警官 何かって言うと乱射した。
警官 まあ威嚇射撃だけどね。
警官 でも俺たちもツラかったんだ。
警官 だって独裁政権だぞ
警官 もし逆らったら
警官 俺たちまで処分される。
警官 そうであればやりたくなくとも
警官 やらざるを得ない！
警官 国民もツラかっただろうが
警官 俺たちもツラかったんだ。
警官 それから当時から俺たち
警官 安月給だから
警官 それでこき使われていた
警官 まあ独裁時代はそれでも
警官 賄賂があったから
警官 何とかなったけど
警官 例えば飲食店の許認可など
警官 警察が握っているものも多く
警官 だからチョットお願いすると
警官 賄賂を少々…
警官 でも…独裁政権が終わり、
警官 そういった小遣い稼ぎも
警官 できなくなった
警官 俺たち庶民（？）の…
警官 密かな楽しみが奪われた。
警官 ふざけんな！
警官 それなら世間に訴えるために
警官 座り込みをしてやる
警官 俺たちの思い…
警官 世間に届け！
国民 届くかぁ（怒）
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とは全く言ってないが、
どうもそのようなことのようだ。
まあ独裁政権の時代
警官はそれなりに優越感があったようだ。
だって銃を振り回し、
国民を弾圧していたから。
それが独裁が終わり、
国民の顔色を窺うようになり、
なおかつ小遣い稼ぎもできなくなった。
新聞にも「屈辱感から不満爆発」とある。
まあこれまでできたことが出来なくなった。
これは屈辱だろう。
聞いた話だが、
会社の偉い人で車の送り迎えが普通だった時、
自分で電車で移動するようになると
かなり屈辱だったという。
それに近い感じかなぁ？
でも…ね。
やりたい放題やっていた警官が
座り込みをやって支持される訳ないだろ。
むしろ反感を買うだけだ。
事実そうだったようだし。
そういう面では我慢していたのは
警察官ではなく国民だった！
とっくに彼らは我慢の限界を超えていた。
まあ…この時の韓国の民主化は…
一時的だったけどな。
約1年後、朴正煕のクーデターが起き、
また独裁政権になる。
それならまた警官の天下だな。
韓国人の我慢は
まだ序章に過ぎなかった。