2023.4.23
ルクセンブルグ 公共交通インフラ
ルクセンブルグは、4月3日から4月16日までイースタホリデーでした。
国民の多くは、コロナの影響で今まで旅するのを制限されていたアジア、アフリカ、遠くコロンビアまでも出かけていく人々や、地域のイースタ行事に参加されている人達、それぞれでバカンスを楽しんでいました。
町のパン屋やケーキ屋さんでは、イースタの兎の飾り付け。
ケーキまでも兎や羊の飾りつけです。
そのホリデーが終わった頃、私はルクセンブルグを離れ、一昨日成田に到着しました。
今年のルクセンンブルグ滞在は、大変短いものでしたが、私が2020年にルクセンブルグを離れて日本で過ごした3年の間に、大きな公共のインフラ整備が二つありました。
一つは交通インフラ
EU裁判所や委員会、銀行がある新市街のしか走っていなかった市電トラムが、
旧市街のグラッシー駐車場から Place de Paris を通って
ルクセンブルグの汽車駅までも延長されていました。
以前は、市電の線路工事が続いていたため、ルクセンブルグ駅付近は、特にいつも大渋滞でしたから、工事が終わった今は、市民は助かっていました。
地図の黄色マーカの部分がトラムが走っていました。
その上、ルクセンブルグ公共交通機関すべてが、全世界に先駆けて2022年3月6日から全土無料になりました。
上の市電トラムも
バスも
汽車までも全て無料ですから、財布を忘れても、何処でも全土は移動できますので、便利のうえに驚きでした。
ルクセンブルグに続いて、公共交通機関の全面無償化に踏み切ったのは、フランス北部都市ダンケルクやエストニア首都タリンです。
無償化の背景には、
① ルクセンブルクは2019年の国民一人当たりのGDPは世界一でも、貧困の格差があること。
ガソリンの高騰によって、自家用車から公共交通機関の利用に変えて家計を助ける。
② 周辺国に比べても給与水準が高いので、隣国フランス、ベルギー、ドイツからの越境労働者がふえたこと。また一方では、ルクセンブルグの近年の住宅価格の上昇によって、若いルクセンブルグ人でさえ、国内で家を買うことが叶わず、安い隣国に家を買って通勤する者も増えたため、人口60万人のルクセンブルクで約20万人の隣国からの越境労働者の車が、一斉に夕方4時を過ぎると渋滞し、二酸化炭素排出量も増えたため、車の渋滞問題を緩和し、二酸化炭素排出量の削減を期待したからでした。
夕方 ルクセンブルグからフランスの帰る車の群
しかし、ルクセンブルグでは、オフイスやマンションの建設ブームで、町のあちこちで、その建設に伴い、水道や電気の拡張工事も同時に行われるので、道路工事が多く、車の渋滞は続いていますので、二酸化炭素排出量は なかなか削減はできていないようです。
王宮前のギョウム広場も、工事中でした。
王宮の前には、兵士が守っています。
二つ目の川の治水工事のインフラは、次回にお伝え致します。
日本に帰国して、成田から東京で過ごして感じたことは
① ヨーロッパの人達は、コロナは既に忘れた存在で、話題にもなっていませんでした。
でも、帰国に際して日本に入国するには、まだワクチンパスかPCR検査陰性証明書が必要でした。
マスクは、ルクセンブルグでは誰もしていません。但し病院に行くときだでが必要でした。
② 日本のレストランは安くても、大変美味しいです。
ラーメン一杯が ルクセンブルグでは、17~25€ (2500~3500円)
食物は良いですが、すべての物価、土地さえも安いので爆買いされないように
日本も、ニュージランド政府のような外国の人が買えない法規制を作るべきです。
➂ 日本の物価がとても安いので、東京に遊びにくる外国人が多く、
成田のJRパスを扱うカウンターには、外国人の長蛇の列でしたから、これは苦痛で
日本の最初の印象が悪くなりそうに見えましたから、JRは、多くても対応できる体制を
調えると良いですね。
④ 朝の電車の渋滞には、びっくりでした。
⑤ 電車の中でスマホや眠っていて、敬老者に席を譲らない若い人達の姿には
外国では考えらない光景です。ニュージランドやルクセンブルグの若い人達は、
年配者が重い荷物を持っている時さえも助けます。
きっと、日本は忙しすぎて若い人も、疲れ切っているのでしょうか?
日本は若い人の正規の仕事、正社員になるのも大変な時代です。最低賃金も社外国に比べ安いです。
これからの若者に希望を持たせる環境作りを考えたいですが、学校の成績以上に大切な生き方を
忘れている社会は、空回りをしています。
日本の生活にゆとりができますように念じております。
松村温江
ルクセンブルグはどの村、どの町にも教会があり、鐘の音が響きます。