2017年7月11日
ルクセンブルグ ミントーシロップ・ リッカー作り
七月も半ば、日本は梅雨が明け、ここルクセンブルグも雨があがった後は暑い日が続いておりましたので、冬に一旦枯れてしまった庭のハーブ達が、この暑さで元気に大きく育っております。
これからの夏の盛りには、心身をリフレッシュさせるドリンク、先回お伝えしたエルダーシロップティーや 今回のミントシロップティーを、特に子供達は好んで飲みますので、家庭ではシロップやリッカー作りが盛んです。
今日はエルダーに続きミントの話をお伝え致します。
ミントは、シソ科ハッカ属 (Mentha) で、今では 600種はあります。
ミント類は地上部を使い、メントール、シトロネーラ、ポリフェノール、タンニンなどを含み、
消化促進、吐き気止め、抗菌、神経系の緩和など、二日酔いや、鼻炎、抗うつなどのリフレッシュティーとして、皆様にお馴染みです。
中国医学(漢方)では薄荷と呼ばれ、日本で育つ和薄荷はペパーミントの1種です。
消炎、鎮痛、止痒、抗菌作用があるので、風邪、頭痛、目の充血、喉の痛みや、湿疹の痒みの緩和に使われています。
西洋の ペパーミントは、胡椒薄荷とも呼ばれ、スペアミント(緑薄荷)+ウインターミント(水薄荷)が交配してできたものです。
ペパーミント(M.piperita)は、スペアミントより葉が小さくスマート、先端が尖って葉が細長く見え、メントールの含有量も多く香りが強いので、pepper(コショウ)と称されるようになりました。 (上の写真)
スペアミント(M.spicata) は、葉が丸みを帯びていて、ほろ甘い香りがして、ガムやデザートの飾りに良く使われ、明るい緑色をしているので、緑薄荷とも呼ばれます。
我家では、玄関に通じる道の左脇に沿って、色々なミントを植えました。
上の写真でお見せしたペパーミントの他に
アップルミント は、ウーリーミント(Woolly Mint)とも呼ばれ、葉は大きく、裏側に毛が生えています。
ジンジャミント コーンミント(M. arvensis)とスペアミント(M. spicata)の交雑
パイナップルミント アップルミント(M. suaveolens)の交雑種
モロッコミント (Mentha cv. 'Morrocan) 容姿は小型のペパーミントです。
シソ科は繁殖してはびこるので, 鉢植えにしました。
スペアミントとチョコレートミントは、自然消滅してしまいましたが、
今日は、庭からペパーミントとアップルミントを摘んできて、クッキングです。
香りと味を良くするために 私は葉の部分だけを使います。
(ちぎった茎はコップの水に差して窓辺に置くだけで、2週間後に また葉がでて、有効活用ができます。)
ミントシロップの作り方
① 材料は、ミントの葉、水、さとう だけです。
② お鍋に水300mlとブラウンシュガー200g(量は好みで)を入れ火にかけて、溶かし沸騰したら、
➂ 直ぐにペパーミントの葉を入れて混ぜ合せ、直後に火を消して 蓋をしめて放置する。
煮詰めない方が、余熱で蒸気が鍋一杯に溢れて、香りと味が良いです。
④ 冷めてから濾過して、容器に移し替える。
ミントリッカーの作り方
材料
ミント 70g
95%アルコール 350ml
白砂糖 150g
水 150ml
① フレッシュミントを洗い、葉の部分だけをちぎり、布ふきんで完全に水を除き、綺麗な密封容器に入れる。
② 96%アルコールを加えて、直ぐに蓋をする。
➂ 2週間、毎日振りながら、冷暗所保管。 日毎に、葉の成分が抽出されて、
葉は白に脱色し、液は綺麗な緑色に変わってゆきます。
③ 2週間後に、鍋に水と白砂糖を加え火にかけて溶かし、冷ましておきます。
④ その冷ました砂糖水の鍋④の中に、➂のミントのアルコール液を注ぎます。
⑤ 布ふきんで濾して、密封容器に移し替えます。
出来上がった、ミントリッカ―(左) と ミントシロップ(右)
リッカーは火を使わずに、強いアルコールで抽出しますので、ハーブの水溶性成分と油溶性成分の両方が残り、植物が持つそのものの色が濃く出てきます。 なので、ミントの緑色が鮮やかで、甘さも控えめで アルコール度は大変強いです。
一方、シロップの方は、火を使い、熱湯で抽出しますので、水溶性成分のみが残り、ハーブティーの色がでてきて甘いです。 シロップはハーブティーに砂糖を加えて、甘く飲みやすくした液ですから、風邪や胃腸に効く苦みのあるハーブ類でも、シロップにすれば、子供さんも飲め便利です。
先回お伝えした、エルダーシロップに、ミントの葉やレモンの輪切り、ベリー類も入れて炭酸水で薄めれば、モットビタミンCが増えて、疲れがとれます。
炭酸水ではなく、シャンペンで割れば、リッチな大人用ドリンクにもなりますので、お試しください。
日本の梅酒も最高ですね。
どうぞ、この夏は、手作りのドリンクで、暑い夏を乗り切りましょう!
松村温江