遺言書が、2通以上発見された場合、遺言書の効力はどうなるのでしょうか。
【結論】
遺言書の内容のうち、抵触(ていしょく)する部分は、後に書かれた遺言の効力が優先します。
遺言書の内容が抵触しない(内容がかぶらない)部分は、どちらの遺言書も有効です。
【参考例】
遺言①2019年3月1日作成「自宅土地建物は、長男○に相続させる。預金は、二男□に相続させる。」
遺言②2020年2月2日作成 「自宅土地建物は、妻△に相続させる。」
このように、2通の遺言があった場合、②の遺言の内容が優先される結果、自宅土地建物は妻△に、預金は二男□に、それぞれ相続されることになります。
①の遺言は、自宅土地建物の長男に対する相続部分について、②の遺言によって撤回されたとみなされます(民法1023条1項)。
このように、遺言は、後の遺言によっていつでも撤回することが出来ます。
なお、遺言書に作成年月日が抜けていたり、署名押印等がない場合には、そもそも遺言は形式要件を満たさないので無効です。
根拠条文:民法1022条、同1023条