今回は、先日開催された循環器学会関東

甲信越地方会で当院研修医1年目の宮田

先生が発表した症例をシェアします。

 

30歳代の女性が経腟分娩後に右片麻痺と

構音障害で搬送されました。心原性脳梗塞

の診断で血管内血栓回収術を行い、幸い

麻痺もなく回復しました。一度も心房細動は

捉えられていないものの、心房細動による

心原性脳梗塞という診断でDOACを継続され

ています。

 

こんな時、あなたなら他にどんな鑑別を考え

ますか?

動脈硬化や心房細動のリスクのない若年の

脳梗塞症例では、奇異性塞栓を考える必要

があります。

 

奇異性塞栓症とは、右心系に存在する血栓が

右左シャント疾患、特に卵円孔開存(PFO)や

心房中隔欠損(ASD),肺動静脈瘻(AVM)を

介して左心系に流入して脳塞栓症を起こす

病態です。

 

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左:DWI:左尾状核および基底核に高信号変化あり
右:左中大脳動脈は水平部で完全に閉塞している