「ビクトリア&アルバート ミュージアムの家具展示室」 | Classic to Modern デコラティブアート的造形と家具作家の日記
2017-05-15 21:38:55

「ビクトリア&アルバート ミュージアムの家具展示室」

テーマ:ブログ

今まで紹介してきたビクトリア&アルバート ミュージアムの

家具展示室で見たその他の家具を紹介します。

 

これは18世紀に作られたビューローブックケースです。

 

表面は、マザーオブパール(真珠貝をスライスした物)と真鍮を

組み合わせた象嵌細工で装飾してあります。

幾何学模様です。モダン家具にも通用するグラフィック効果です。

真珠貝のエレガントな色と艶が、とても上品な雰囲気を

作り出しています。

 

真鍮部分は、色がくすんでいますが、作られた当時は金色に

輝いていた筈です。

真珠貝の色と金色の組み合わせはとても華やかだったと思います。

 

次は17世紀に作られたキャビネットです。

 

脚元にはバンフィートと呼ばれるお饅頭型の足が付いています。

それもかなり大きいです。

この大きいバンフィートが使われている家具は、たいていドイツか

オランダの家具です。

 

これは19世紀に作られたアールヌーボーのキャビネットです。

アールヌーボーを代表するデザイナーのマージョレーユが

デザインした家具です。

 

アールヌーボーの時代の家具は、彫刻や象嵌で美しく装飾された物が

多かったのですが、使われたモチーフはそれ以前の様式に属さない、

新しいものがたくさん使われました。

キャビネットの脚元の彫刻部分です。

 

木の根っ子の部分が彫られています。アカンサスのレリーフなど、

クラシックなモチーフを使っていません。

過去の様式にとらわれない、新しいスタイルのデザインが流行した

時代背景を物語っています。

 

これはイギリスを代表する装飾彫刻家のギボンズの作品です。

壁面装飾用の彫刻です。

 

白く見える材料の木はシナ材です。

当教室でも彫刻の材料として使っています。

日本では合板の材料として認識されていますが、西洋ではずっと彫刻の

材料として使われてきました。

様々な植物が塊になって彫られている様は圧巻です。

ものすごく分厚い材料から立体的に彫られています。

技術的に非常に難易度の高い種類の彫刻です。

特注製作品としては、最も高価な部類に入ります。

 

ギボンズの彫刻は未塗装の物が多く、この作品も塗装は無い状態です。

完全につや消しで、乾いた質感です。

綺麗に塗装された室内空間に設置されると、とても存在感があります。

 

これは18世紀後半にイギリスで作られたテーブルの脚に彫刻された

『顔』です。

ネオクラシック様式の家具の一部です。

 

表面はジェッソー(チョークの粉とにかわを混ぜた物)で

仕上げてあります。

 

顔の長さは10センチ程度ですが、プロポーションや、ディテールの質は

美術品の域に入っています。

 

横顔です。

神話に出てくる半獣人の顔です。羊の角が生えています。

 

今の時代まで名前の残っている彫刻家が彫った物ではありませんが、

このレベルの装飾が入った家具は、当然美術品として扱われます。

 

まだ紹介したい物はありますが、今日はこれくらいにしておきます。

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