政治家の矜持が、これほど問われる時代も珍しいと思います。

消費税の増税法案を一緒になって通しておきながら、増税法案が通った瞬間に、解散総選挙を求めて、内閣不信任だ、問責決議だと騒ぎ立てる自民党。

重要法案を処理しなければ解散総選挙はできないといいながら、全く交渉の余地を示さず、特例公債法案や衆議院選挙制度改革法案を衆議院で強行採決をする、しかも、国民の生活に重大な影響が出てくることを理解しながら予算の「執行抑制」にまで手を付けようとする民主党。

政党だけではありません。

政策も違わないはずの人気の政治団体に移籍しようとする議員個人も(この報道が真実だとすれば)、これは他人事ではありません。


自分の利益になること、有利になることなら何でもアリ、という姿。
真実は別にあるとしても、このような姿に有権者は飽き飽きしているはずです。

良く政治家は、その国の国民のレベルを示す、と言われることがありますが、現状は国民のレベルを遥かに下回っています。

古来、日本には損して得とれという言葉があります。

商売をやっている人、ビジネスに携わっている人には当たり前のこの言葉も、政治の世界に入ると見えなくなってしまうのでしょうか。

ほとんどの人は自分の利益には忠実です。
この当たり前の欲望を責めても始まりません。

だとすれば、今政治家に求められていることは、少なくとも、別に目先の利益なんて求めていない、という姿勢だけでもはっきりと見せること。

それこそ辛くても、また苦しくても、目先の利益に飛びつかない。
その姿勢が将来の利益につながるんだと思って、我慢するべきです。

政治家は、国民の代表であって、その意味で国民の模範たるべき立場です。

だからこそ、今こそ、政治家には、政治家としての矜持を持って頂きたい。

これは批判ではありません。

非常に僭越な言い方になるかもしれませんが、党や政治団体の垣根を越えてこの国のために働く全ての方々へのエールと思っております。


みんなの党 衆議院 東京都第5区支部長

みたに英弘